アッターガウ鉄道


 リンツ〜ザルツブルグ間にあるVoecklamarkt駅からアッター湖畔までアッターガウ鉄道(Attergaubahn)という13kmのメーターゲージ電化路線が伸びています。近所にあるフォルヒドルフ鉄道やトラウンゼー鉄道に乗った後こちらも乗りくらべてみることにしました。


★Voecklamarkt駅

 OeBBとの乗換駅Voecklamarkt駅から話を始めます。アッターガウ鉄道の乗り場はリンツ方面の列車と対面乗り換えができる同じホームです。アッターガウ鉄道の車両はごくシンプルな顔ですがOeBBの鈍行が近年ありがちな出っ張ったデザインのボンバルディアの標準型なので並ぶと古風に見えました。


 訪問時運用についていたのは1951年製の電車です。ワンマン・運賃先払い・途中駅での降車は事前申告が必要というシステムなので運転席に発券機が備え付けられています。整備が行き届いた車内はフォルヒドルフ鉄道やトラウンゼー鉄道と同じような雰囲気ですが、こちらはベンチ状の座席なのでやや簡素な感じです。

 前後扉からはデッキを介して客室に入ることになりますが、中央扉の脇にはロングシートと折り畳みシートがあり床面積を広くとってあります。


 Voecklamarktを出るとしばらく木立が続き、その後は緑がまぶしい丘をぬって、という順で結構高低差があるなかを小気味よく登り降りし悪くない乗り味です。途中の小駅がいいアクセントになります。


★Attersee駅

 Voecklamarkt駅から13km、25分で車庫がある終点のAttersee駅に到着しました。駅も車両もキレイでかわいらしくなんだか模型みたいです。逆の話になりますがこれならリアル派でもウェザリングの手間がだいぶ省けそうですね。

 フォルヒドルフ鉄道やトラウンゼー鉄道と同じ塗色の車両も見られました。今後他の車両もこの色に変わっていくのでしょうか。

 駅の先はすぐアッター湖が広がっています。私は乗り鉄目的なので滞在せずとんぼ返りするだけですがこの辺りはいるだけで気持ちいいところなのでなんだかトクした気分になりました。


★交換駅

 Attersee駅とならぶ主要駅が交換駅のSt.Georgen駅です。ここで復路途中下車してみました。

 腰の目玉がかわいらしい旧型車両が留置されています。これと同型の車両がピカピカの状態でトラウンゼー鉄道のVorchdorf-Eggenberg駅にいましたが、こちらではちょっとくたびれ気味の様子です。事業用にしてもあまり使ってないのでしょうか。作業車もいい味わいです。

 枕木を積んだ無蓋車を見たら線路沿いをVoecklamarkt方面へ少し歩いてみます。緑と青空が映える沿線は気持ちよくどこも公園に見えるほどで、次はあわただしい乗り鉄ではなくゆっくりしに来たいと思わせられるものがありました。


(2010年訪問)


景色は乗った後に(表紙)オーストリアもくじ>このページ

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