ブエノスアイレス市内の路線バス


 ブエノスアイレス市内は路線バスの密度が非常に濃く、各系統ごとに違う塗色が施された鮮やかな車体が街のどこに行っても目に付きます。ここではその街の顔のような路線バスの様子を以下4つのトピックに分けて紹介します。

 (ちなみにアルゼンチンでは長距離のバス「オムニブスOmnibus」に対し市内バスのような比較的短距離の路線バスを「コレクティーボcolectivo」といいます。)


1.空港の路線バス

 私にとって「当たり空港」は生活密着型の路線バスで街に出られるところです。立派な空港鉄道や空港バスでは飛行機の続きというか、どうもシャバ気分が戻りません。路線バスなら乗った瞬間から開放感がありホッとします。その点ブエノスアイレスのエセイサ国際空港(Ezeiza EZE)は当たりでした。いわゆる空港のリムジンバスではなく普通の路線バスが空港内に乗り入れています。

 案内所でバス停の場所を聞き、空港の外れに歩いていくと行くとあっけらかんとした待合所があります。バス停の案内らしきものは画像の通り系統番号のシールだけ。(ブエノスアイレス市内の大半のバス停はこのような番号札だけで停留所名も書いてありません。)

 待っているといくつかの系統がやって来ます。成田から25時間飛行機に乗ったあと路線バスの姿を見ると初めての南米ながらすっかり気が緩んでしまいました。

 空港からブエノスアイレスの中心に向かうバスは8系統。停留所に着いて15分くらいでやってきました。この8系統の行き先表示はただバスのおでこに貼ってあるだけですが、上の51系統のように一部窓が開いて表示が変えられるものもあります。番号が横にびろーんと延びた書体なのはなんだかユーモラス。

 右は券売機の画像。ブエノスアイレスの路線バスはワンマン運賃先払いの前乗り/中・後ろ扉降りで乗り方はちょっと変わっていて以下のような手順です。

1 乗ったら行き先を運転手さんに言う。→運転手さんが手元で料金を入力する。

2 運転手さんの背中側にある券売機にその料金が伝わる。→乗客はコイン(紙幣不可)を入れて乗車券とお釣りをとる。

  事情に疎い私は行き先と言っても停留所名があるんだかないんだかという状況なので、とりあえず乗ったバスと交わる通りの名前、駅名、広場名等を言いました。どうもそれでいいみたいです。また乗りバスしていたら一回だけですが車内で検札に遭遇しましたので乗車券はなくさないようにしましょう。

3 車内放送はありません。車窓で見当をつけ降車ボタンか口頭で運転手さんに知らせるか、乗るとき「着いたら教えて」と運転手さんなり周りの乗客に頼んでおきましょう。

 なおMonederoという地下鉄・バス共通のICカードもあり、このカードを使う乗客はまず運転手さんに行き先を言ってからタッチしていました。

 では幸先良く先頭のマニア席を確保して楽しい乗りバスの始まり。空港から街まで30km弱とそもそも結構距離があるのですが、その上幹線道路をまっすぐではなく途中あちこち寄りながら走るので時間がかかります。ただ走りは先行する同じ8系統を追い抜いたり追い抜かれたりなかなか気合の入ったものでした。途中の町の様子はもちろん、地下鉄A線Primera Junta駅を通るため車窓から地下鉄が併用軌道に出るところも見られるのでワクワクします。

 右下最後の画像は宿の予約をしておいた中心部、地下鉄A線Lima駅付近で空港からここまで1時間50分ほど。狭隘とまでは言えませんが、この程度の街中の路地でもバスは結構飛ばすので気持ちのいい乗りバスでした。


2.路線図・停留所・行先案内

 ブエノスアイレスの路線バスは停留所の案内が貧弱なので乗りバスには路線図が必須です。路線図は街角の売店で売られていて、小型から大判まで数種あり、バスの絵も描かれ系統ごとの車体色までわかるという便利なもの。そんな絵まで載るほど系統ごとの様々な塗色を見ることができるというわけで、バス好きならずとも楽しい点だと思います。また遠目で自分の乗るバスを判断するために色は結構重要なものとされているのかもしれません。

 ここでは停留所に停まる2系統の画像を。全面と側面上部に起終点が書いてある様子がなかなかオシャレです。停留所に系統番号と経由地が書かれた縦長の札があるほか、街頭のポールにも系統番号が貼ってあるのが見つかるでしょうか。(※画像に見えるのは1系統のものですが。)ここのように札とシールがあればいいのですが、シールだけが適当な街角の柱に貼ってあるだけの停留所となると見つけるのがちょっと厄介です。


 下は地下鉄A線Primera Junta駅付近の停留所。このように横書きの案内板もあります。(ついでにそのPrimera Junta駅周辺を走る保存路面電車や地下鉄の車庫近辺のバス画像を加えておきます。)


 この画像は電光表示化前後の180系統。訪問時は徐々に電光表示化が進んでいる最中のようでした。この流れはいずこも同じですが個性と味のある表示がなくなるのは残念です。


3.レティーロ駅周辺

 巨大な駅群と長距離ターミナルが集まるレティーロ(Retiro)地区はさすがというべきか当然というべきか路線バスだらけでした。

 101系統3台のお団子状態とこれこそ横びろーん番号の極めつけみたいな6系統をお目にかけます。

 ここではレティーロ駅前で見た一風変わった車両を。AUXILIOというのは救援車のたぐいみたいです。連結バスはブエノスアイレスでは少数派のようであまり見かけませんでした。


4.夜のバス

 最後は夜のバスを。アルゼンチンの夕食は遅くブエノスアイレスの街では遅い時間になっても人が出歩いているのですが、意外にも地下鉄は23時台に終電と結構早仕舞いです。その点バスは終バスが遅かったり、あるいは夜通し走っている系統もあるので便利でした。明かりに照らされたカラフルなバスはブエノスアイレスの夜を美しく彩ります。

 ややかすれ気味の行き先表示が照らされると味があります。お二人様もどうぞ良い夜を。

景色は乗った後に(遠距離館)アルゼンチンもくじ>このページ

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