釣り掛け電車で国境越え(ベルギー→ドイツ)


 ベルギー中を走る実直顔(?)の釣り掛け電車は国境を越えてドイツにまで足をのばしています。以下はその列車に「乗り鉄」した時の話です。(車両についての話はこちらをご覧下さい。)


 ドイツ行きの釣り掛け国境越え列車が出るのはワッフルで有名なリエージュの街の中央駅にあたるリエージュ・ギユマン駅(Liege guillemins)です。やってきた車両は1963年製のAM63で性能では初期車にあたります。行先はドイツのアーヘン中央駅、種別はIR(Inter Regio)。車両のどっしりした存在感と斬新な駅はなかなか面白い組み合わせですね。銘板を見ると電装品がACEC、車体はBrugeoise社とベルギーのメーカー名が並び「国境を越えるぞ感」が高揚してきます。


 では釣り掛け音も高らかに発車。運転室が半室なので大柄な運転士さんにはやや窮屈そうに見えました。リエージュ〜アーヘン間にはタリス等が走るカーブの少ない近道の高速線が整備されていますが、この列車はカーブの多い遠回りの在来線を走っていきます。


 温泉地Spa Geronstereへの分岐駅Pepinster、線路に覆いかぶさる駅舎が印象的なVerviers Central駅と停まりながら、多くのトンネルを抜け緑が気持ちのいい沿線を進んでいきます。カーブは多いもののそれほどきつくはなく、速度計を覗くとこの車両の最高速度130km/hに達していました。味があり親しみのわく低運転台の電車、しかも釣り掛けでこれくらい飛ばしてくれるとなると実に爽快で言うことなしです。


 ドイツ国境が近づいてきました。高速線と合流しベルギー側最後の駅Hergenrathに停まります。


 Hergenrath駅を出るとすぐに「ベルギー鉄道終わり・ドイツ鉄道始まり」の標識見え、間もなくそう国境らしいとも思えないような国境(左から2枚目の画像)を越えるとドイツです。その先にあるBuschトンネルは言われなければ国境だと勘違いしてしまいそうな雰囲気で、上下線で新旧のトンネルが並んでいる古いほうを抜けます。

 トンネルを出て下り坂をあまりスピードを出さずに下っていくとアーヘン中央駅(Aachen Hbf)が見えてきました。アーヘン中央駅は一部の番線がドイツ側交流15000Vとベルギー側直流3000Vに切り替えられるようになっていて、ベルギー方はベルギー方面への出発信号機のすぐベルギー寄りに切り替え地点(右端の画像付近)があります。


 というわけでカマボコ形の屋根が並ぶドイツのアーヘン中央駅に到着しました。リエージュからここまで51分、高速線経由の列車なら22分ではあるものの楽しいと時が経つのを忘れますから感覚的にはかなりいい勝負になりそうです。

 さて改めて見ると駅舎から一番遠く文字通り日陰者状態の9番線に停まっている様子は肩身が狭そう。ピカピカしたDB(ドイツ鉄道)の車両に比べ渋い塗色だし…。でもこの間借り感はさらに乗りたくなる空気を醸し出しているように見えてしまいます。釣り掛け・国境越え・「間借り感」の三点つながりでチェコのここをちょっと思い出してしまいました。チェコと同じことの繰り返しになりますが「釣り掛け電車で国境を越えて間借り」という流れは日本だと「私鉄に乗ってJRの駅の端に着いた」という感覚に通じるものがあり何ともイイものです。大変満足した国境乗り鉄でした。


景色は乗った後に(遠距離館)ベルギーもくじ>このページ

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