Kusttramの動態保存(前編)


 「世界最長の路面電車」として名を馳せるベルギー沿岸のトラム『Kusttram』には古い車両が動態保存されています。古い電車好きとしてはこのトラム訪問のそもそもの動機が「世界最長だから」ではなく動態保存の存在だったりするので「現在の姿」の話よりも長くなりますがしばらくお付き合い下さい。


 動態保存用の車庫はKusttram沿線南西端の町De Panneにあります。(最寄電停はDe Panne Esplanade)古い路面電車の車庫というのはどことなくおもちゃ箱的な雰囲気があるものですが、次の動態保存電車の発車時刻を時計の針で案内で示しているのはそれとよく似合いなんともかわいらしい感じです。引っ張り出された車両は乗り込んで見物でき、車庫の中ではグッズが売られています。


 車庫内に入ると奥の方に側面の窓がにぎやかなPCCらしいPCC(?)が置かれていました。1952年にベルギーでライセンス生産されオランダのハーグで活躍していた車両だそうです。このPCCは本日お休み。

 では本日乗れる「お献立」はというと3種類も用意されているとのことでなんとも豪気です。どれから乗れるんだろう?それにしてもパンタがでかいなあ、などと見物しながら発車を待ちます。


★車体更新車

 最初に運行されたのは緑のヒゲがシャレてる10041号でした。落ち着いた曲線が優美で、大きな窓にシンプルで美しい塗装の大変整ったスタイルです。車内に入ると外装と色調を合わせたのか濃い緑が映えクロスシートがずらりと並びこれまたよく整っています。この車体は1956年製ですが、下回りは第二次世界大戦以前に作られた車両のものが流用されているのでよい釣り掛け音が楽しめました。

 この日の保存車両の運行は車庫からDe Panne駅まで行ってまた車庫に戻るコースで、一般列車の停留所での客扱いはしません。(車庫を出発して戻るまでの所要時間は4〜50分程度)

 まず車庫で乗客を乗せると普段電車の走っていない引込線をゆっくり進み、本線に合流する前に一旦停止して一般列車を一本やり過ごします。警備されながらそろそろと本線に入ったらよく整備された軌道を快調に走ってDe Panne駅に到着。ここはループの折り返し線なので一般列車2本に挟まれてしまいました。まさに間をぬって走っているわけです。


 駅前のループを回り同じ経路を戻ってまた引込線に入るわけですが、引込線は単線なので車庫に戻る際は後方の簡易運転台が使われるのを見ることができます。5枚窓状なので名鉄モ510にかぶりついたときをふと思い出したりも。


 というわけでまずこの車体更新車に乗ったあとさらに2種類の車両に乗ったのですが、長くなったのでつづきは後編とします。

■後編はこちら


景色は乗った後に(遠距離館)ベルギーもくじ>このページ

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