ウルグアイのナマズレールバス(後編)


★モンテビデオ発車

 前編のつづきです。ではレールバスらしくノッチではなくアクセルが踏まれてモンテビデオを出発。エンジンなど機器がどの程度の時代になっているかわかりませんがともあれレールバスらしい軽快な走りっぷりでまずはモンテビデオの市街地を進んでいきます。しばらくは裏街という感じが続く車窓を見ていると軌道や踏切などは結構新しいものが目につき地味に整備されている模様です。画像のような併用軌道めいた区間もあってちょっとうれしくなりました。車掌さんは途中駅からの乗客に補充券を売るため歩き回りはじめます。補充券は原寸はタテが5cmくらいですからかなり小さく、乗車券というよりレシートという感じです。


 車内には自転車も持ち込まれ終始のんびりムードです。本数が少ない割に結構各駅でお客が乗り降りしていました。 Manga駅では「輪っか」のやり取りも。

 ところで乗り鉄していて困るのは前編で述べた通り金網です。側面はもとより前面にも金網があるためかぶりつきもやや煮え切らないものがあります。そこで側面扉が開けっ放しだったことを思い出しここで表を見ながら外の風を浴びることにしました。ただ乗客のオジサンに「そこにいると石投げられるから危ないよ。」と忠告を受けたので安全にはやや問題があるようです。幸いここに引っ付いているときは投石に遭遇しませんでしたがその後投石は実際にあったので注意が必要です。

 市街地を抜けるともっぱら草原ばかりの中を意外にも(と言っては失礼ですが)結構なスピードで飛ばします。スピードメーターはついていなかったのですが、おそらく7〜80km程度は出ていたように感じました。草原が続くウルグアイの最高地点はせいぜい500m程度と日本だったらなんだか千葉県あたりを思い出すような話ですが、内陸部の鉄道沿線はずっとこんな様子なのでしょうか。


 鉄橋で川をまたぐと子供が泳ぐ姿が見えます。こんな茶色い川でよく泳ぐなあと感心。

 さてとりあえず平坦で文字通り山場がないままほぼ定時の70分ほどで終点のVictor Sudriers駅に到着しました。レールは先まで続いているのですが旅客鉄道はここまでです。


★ターンテーブル

 終点に着いたらお楽しみの始まり。この片運転台の単行レールバスが折り返すためにはターンテーブルで回す必要があります。ターンテーブルは駅のやや先にあるのでそこまで同乗させてもらい回転の様子を見に行きました。

 まずそろそろとターンテーブルの上にレールバスが載るとすぐに運転士さんが飛び降ります。このターンテーブルは人力で運転士さんとターンテーブル近くで待っていた職員さんの2人で動かすというわけ。見ている限り手入れがいいのか回転はスムーズでしたが、何せ古く重そうな車体を炎天下回すのですから大変そうです。とは言えそこはさすがプロ、手際よく回し終えてまた運転席に上がって駅に戻ります。それにしてもターンテーブルを維持して片側運転台の古い車両を使い続けるなんてスゴイなあ…。

 転回が済み給水を受けて出発の用意が整ったらのんびりした駅で小休止。チョークで黒板に書かれた時刻表がレストランのお品書きのようでした。暑さのせいか台湾あたりの犬にも負けずにぐてーっとしています。一息ついてホッとしたところでモンテビデオに向けて出発進行。末端区間は腕木が現役でした。帰りもぐんぐん加速し気持ちよく飛ばします。


 途中Suarez駅の線路端になにやら保存車両が見えました。最初気動車の片割れかと思いましたがプッシュプルの列車に使う運転台付き客車かな?いずれにしてもこちらより新しそうです。


★交換

 広い空と草原の中を突っ走っていると停止現示が見え急停車。単行のレールバスだけに急ブレーキも軽快です。ここは交換駅Toledoの手前にあたり、しばらく待って進行現示になったら駅へ入っていきます。駅では下りのナマズが待っていました。車掌さんが駅員さんと小さな棒状の通票がついたキャリアを交換したらすぐにモンテビデオに向け発車します。


 草原を力走し16:30にモンテビデオ新駅に到着したら往復3時間足らずの乗り鉄はおしまいです。保存鉄道でもない地味な近郊路線にこんな古い車両、ターンテーブル、腕木に通票と楽しい要素が詰まっていたのでうれしい悲鳴をあげっぱなしでした。素敵なナマズレールバス「ブリル」の末永い活躍を願ってやみません。


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