トロント郊外の電車博物館(前編)


 トロント西郊で電車を動態保存している博物館「Halton County Radial Railway」に行ってみることにしました。


 その博物館までトロントから公共交通で行こうとするとややこしくはないものの相当時間がかかります。まずトロント郊外に向かう鉄道とバス(GO Transit)のターミナルになっているユニオン駅(Union Station・左半分の画像)へ。ディーゼル機関車に2階建て客車が連なる通勤列車のホームと駅前のバスターミナルが隣接していて車体の塗色はどちらも同じです。また発車案内のディスプレイには列車・バスの両方が表示されていました。ここから31A系統のバスに乗ること約1時間40分、Actonという町とRockwoodという町の間くらいで降りると博物館の入口までは4kmほどありあとは徒歩です。ずっと舗装された車道なので特に歩きにくいということはないもののただの田舎道が続くばかりで飽きましたが、博物館に着くと路面電車運行中の看板が出ていてほっとしました。


 広い敷地に入ると多く鉄道車両・トロリーバス・バスが保存されているのが目につきうれしくなります。まずは動いている電車に乗ってみることにしました。動態保存車両が走るのは入口側と敷地の奥側の乗り場を結ぶ単線で、片運転台の路面電車が折り返せるよう両側ともループがあります。入口側で電車に乗ると林の中を走り、敷地の奥側で降りるとPCCカーの車体を利用したカフェがあってアイスクリームを食べたり何か飲んで一休みできるといううれしい流れです。


 訪問した日は3両の電車が順番に運行されていました。まず乗ったのは1921年製のトロント市電2424号。中扉の車体を考えた設計者にちなみ「ピーターウィット(Peter Witt)」と呼ばれています。


 どういうわけだか乗り込んできたネコが覗き込んでいる中扉のステップはスイッチになっていて停車中に踏むと扉が開くというつくりです。車内は幅広い時代の広告がキレイに再現されていて、「もっと戦時国債を買おう!」という第二次世界大戦中の広告に描かれたヒットラーを見ると日本はこのヒトの仲間やってたんだなあとしみじみ思ってしまったりも。


 見ていて一番わくわくしたのはLondon and Port Stanley Railwayという鉄道を走っていた1915年製の古豪8号です。(ロンドンというとイギリスの首都みたいですがカナダにもロンドンという街があります。)この車両は両運転台なのでループは通らず路面電車乗り場とは別の高床ホームで発着し、東武浅草駅のように急曲線ではなく直線なのに律儀に渡り板が使われていました。大きな下枠交差のパンタグラフを見上げつつ乗り込むと客室が2つに分かれているので1・2等かと思ったらモノクラスで、モケット張りの座席が禁煙室、レザー張りの座席が喫煙室と分かれていたのだそうです。


 運転台はデッキの右隅に設えられごくあっさりとしています。トイレもシャレたデザインで感心。動き出すと走るところは既に乗った路面電車と同じ単線ながら車両が違うと雰囲気が変わり楽しめました。カフェ側に着くとはホームが無いので外側のステップを使って乗り降りすることになり踏台が置かれます。大きなイヌもお客さん。

 車両はまだまだたくさんあります。(後編につづく)


景色は乗った後に(遠距離館)カナダもくじ>このページ

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