キューバのハーシー電車(前編)


 キューバの首都ハバナから東のマタンサス(Matanzas)に向けて電化路線が延びています。この路線はもともとチョコレートで有名なハーシー(Hershey)社が糖業のために作ったもので、ハーシー社が撤退したキューバ革命後も現在に至るまで電車が運行されているというので乗りに行ってみることにしました。


 ハバナ旧市街の東側にラムの有名ブランド「ハバナクラブ」の博物館があり、見物(有料のツアー形式)するとラムが試飲できるほか見物せず併設のバーを利用することも可能です。この博物館のすぐ近くから出る渡船(日中約30分間隔・運賃0.3cup)に乗るとくだんの電車が発着するカサブランカ(CasaBlanca)駅に行くことができます。


 渡船は出発すると10分程度で対岸に着き、船着場を出るとすぐ前がカサブランカ駅です。時刻表を見るとこの駅を発車する列車は4:45・12:21・16:35発の3便のみ(いずれもマタンサス行き・毎日運行)で、途中のHershey駅まで切符を買ったところ外国人運賃は1.4cuc(一般の大人運賃は1.4cup)でした。なお出札口には一般用のパンチ式、外国人用の手書き式と違う体裁の切符が用意されていて、このときは私のみならず家族連れの観光客も外国人用の切符を買っていたという具合ですから外国人の利用は結構あるようです。車両はかつてカエルという愛称で呼ばれスペインのバルセロナ近郊を走っていたという中古の釣り掛け電車でヤグラに載ったパンタが目立ちます。


 カサブランカ駅付近は併用軌道で周囲にはぱらぱらとお店や配給所があるもののさして賑わっている感じはありませんでした。12:21発の列車に乗ると定刻に発車し併用軌道を経て草っぱらの中を行く専用軌道へ。乗降のない駅はどんどん通過していきます。どの駅もホームは1ヶ所の扉にしかかからない程度の短いものですが乗降客はそう多くないのでさして困りません。


 1時間半ちょっとで着いたHershey駅で下車しました。ハバナ〜マタンサスのほぼ中間にある駅でかつて使われていた凸型電機がモニュメントとして置かれているのが目立ちます。列車はここでしばらく停車時間があるため飲み物やサンドイッチ、お菓子などを売りに来る人が集まり結構売れていました。私も買って昼食とします。


 Hershey駅付近に立っていたモーテルの看板には旧型車(後述)が描かれていました。マタンサス方向に歩いて行くと草むしたヤードの跡には牛が放牧され工場は廃墟と化し兵どもが夢の跡という感じ。


 Hershey駅の次の駅、Chucho Onceまで来ると近くに車庫があります。ここにこの路線の名物的存在で近年は主に観光客の貸切用に使われていたというアメリカのブリル社製旧型車が留置されていましたが、残念なことに故障でしばらく動いていないとのことでした。

(後編につづきます。)


景色は乗った後に(遠距離館)キューバもくじ>このページ

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