キューバのハーシー電車(後編)


 前編で着いた車庫のすぐ脇にCalle7という駅があり、ここから支線が運行されているので乗ってみることにしました。車両はカサブランカから乗ったものと同形式です。(画像の電車の絵が入ったメニューはこの駅の向かいにあるカフェのものです。)


 ときおり指令からの無線連絡が流れる運転台は一体型にまとめられていてスッキリした雰囲気。客室には硬いボックスシートが並びます。車掌さんから支線の終点Jarucoまでの切符(0.4cup)を買ったところパンチ式でした。


 釣り掛け音も高らかに発車したら間もなく軌道に馬が乱入。私は驚いたものの運転士さんはさして慌てる様子もなくブレーキをかけ馬はすぐにどきました。沿線では牛や馬が多く放牧されているのでよくあることなのだとか。乗っている列車が馬に停められるのはルーマニア以来ですがどこも割と油断があるものですね。広々としたサトウキビ畑を抜けるとやがて町になりJaruco駅に着きました。ここまでCalle7から30分ちょっとです。


 JarucoからCalle7にとんぼ返りし、ハバナに戻るため人っ気のないChucho Once駅(左下の画像)でカサブランカ行きを待ちます。電車が来たら通過されないよう大きく手を振って停まってもらったのですが、この駅にはホームがなく、一方電車は高床で乗客用の扉にステップはついていません。ではどうやって乗り降りするかというと日本の一般的な電車同様にハシゴ状のステップがついている乗務員室の側扉を使います。

 乗り込むと次の駅は往路に降りたHersheyでこの列車にも合わせて食べ物・飲み物が売られていたのでおやつを買い食い。発車後キレイな雲だなあ、と見ていたら次のSanFrancisco駅ではまたも馬に通せんぼされました。軌道の草がよほどウマいのか警笛なぞどこ吹く風でなかなかどきません。駅で待つ人たちはイライラというよりやれやれという表情。


 Penas Altas駅ではディーゼル機関車に牽かれた事業用列車が行く手を遮ります。普段使われていないのかレールが錆び錆びの側線に入っていくとパンタグラフからド派手なスパークが散りまくるのでドキドキしました。事業用列車が行ったあとはバックで本線に戻って先に進みます。


 車内にかなりかさばる荷物というか資材を持ち込んでいるツワモノも。Guanabo駅(左下の画像)からはPlayas del esteへの支線が分岐しているのですが運休中でした。そのうちに日が暮れるものの室内灯がないので車内は真っ暗。車掌さんは懐中電灯を持っていて駅では扉付近を照らしてくれます。暗い車内で結構飛ばす釣り掛け音を聞くのもなかなかオツなものでした。


 というわけで夜のカサブランカ駅に到着。渡船は暗くなってもにぎやかでした。ハバナ側船着場のすぐ前には路線バス(P5)が停まるのでこれをつかまえたらこの日の「乗り」はおしまいです。こうやっていろいろな公共交通が繋がっているというのはうれしいもので、単に電車に乗るだけでなく電車〜渡船〜バスという乗り継ぎも味わえ楽しいひとときでした。


景色は乗った後に(遠距離館)キューバもくじ>このページ

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