地味なターミナル駅の気動車近郊列車


 キューバの首都ハバナにあるターミナル駅のひとつ、19 de Noviembre駅から列車に乗ってみることにしました。


 19 de Noviembre駅はハバナの旧市街からやや離れたところにあります。といってもそう不便ではなく、旧市街の中心部から頻発するバス(P12)に15分くらい乗ってIndependencia通りとTulipan通りの交差点付近で降りると歩いて数分で着きました。

 この駅名はキューバ初の鉄道が開業した日(1837年11月19日)を表しています。その名がつくだけありそのときに開業した路線上にあるということなのですが駅自体はごく地味なものでした。行き止まりのコの字型対向式ホームとそのホームから道路を一本挟んで離れた小さい駅舎からなりハバナ中央駅のように長距離列車は発着していません。

 そのうちバックでホームに入って来た私の乗る列車(San Antonio de los Banos行き)はロシア製の新しい単端式気動車でした。以前ウルグアイチリで乗ったもののように単端式は古いものというイメージを持っていたためちょっと意外に思ったりも。


 駅舎内で切符を買おうとしたら車内で買うようにと言われ、ホームでは改札がなかったので無札で乗り込みました。車内は木が多用された柔らかい雰囲気で、運転室は大きめの2枚窓により明るく展望がききました。空席は残るもののそこそこ座席が埋まった頃に車掌さんが回って来ます。切符を買ったところパンチ式で私が乗るRinconまでの運賃は0.7cupでした。


 19 de Noviembreを発車すると列車は南に向かいます。次の駅Cienegaには車庫があり機関車や客車、貨車に混じって以前ルーマニアで見たのと同じ東ドイツ製レールバスが留置されていました。ぱらぱらと乗客を集めながら市街地を抜けるとホセ・マルティ国際空港に突き当たり空港の西側をぐるりと迂回します。このとき車窓から国際線ターミナルが見えるのでこの路線が空港アクセス化されたら便利だろうなあと思ってしまいました。


 空港を過ぎると車窓はだいぶのどかになります。緑の中を気持ちよく走っているうちにRinconに着きました。19 de Noviembreからここまで約1時間20分、距離は22kmとかなりゆっくりでしたが、途中よくわからない停車が何度かあったりしてだいぶ遅れていたので本来はもっと速いと思われます。


 乗降客は少ないもののホームではお菓子が売られ列車はしばらく停車してから発車して行きました。さてこの駅で降りたのはなんとなくという理由に過ぎず特に目的地があるわけではありません。しばらく駅前の踏切を見ていたところ路線バス、乗用車・オート三輪など多様な車両の乗合タクシー、乗合馬車が頻繁に行き来しているのでとりあえず乗りたくなり乗合馬車をつかまえました。西に向かったところ5分くらいで大きい教会(Santuario de San Lazaro)に着き終点とのこと(運賃1cup)。教皇ヨハネ・パウロ2世が訪問したこともある高名な教会だそうです。


 これもご縁と教会を見物し今度はオート三輪の乗合タクシー(運賃5cup)に乗るとRincon駅前の踏切を渡ってさらに東に向かい、10分足らずでSantiago de las Vegasという町のバスターミナルに着きました。ここはハバナ中心部に向かう系統(P12・P16)をはじめとする路線バスや乗合タクシー、乗合馬車、輪タクの集まる交通の要所で軽食の売店も並びなかなかの賑わいです。

 牛ではなく長野電鉄2000系に引かれて善光寺ということは何度かありましたがここでは近郊列車と馬に引かれて教会ということになったわけで、そういえば2000系も2枚窓だったっけと思わぬところでしみじみ思い出しつつバスに乗ってハバナ中心部に戻りました。


景色は乗った後に(遠距離館)キューバもくじ>このページ

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