オストラヴァの保存車両(前編)


 市内交通に路面電車・トロリーバス・バスが揃うチェコ東部のオストラヴァ(Ostrava)ではそれぞれの車両が動態保存されています。この保存車に車庫で乗ることができるというので行ってみることにしました。運行時間は夕方16時から夜23時までとかなり遅くちょっと変った感じですがこれは市内の博物館や美術館を遅くまで延長開館するというイベントの一環だからです。なのでわくわくしながら夕方を待ちました。


 保存車が運行される車庫は郊外にありオストラヴァの中心からはだいぶ西に離れています。車庫前の停留所(Dilny DP Ostrava)までは路面電車でも行くことができますがイベント時間中は街の中心にあるVystaviste停留所から車庫行きの無料送迎バスが20分毎に運行されるというのでこれを使ってみることにしました。なおこの日は車庫行きの他にも市内の要所とイベント参加施設を結ぶ系統が3つ深夜まで運行されやはりどれも無料という凄さで驚くばかりです。(Vystavisteの画像はここにもあります。)

 夕方になりVystavisteに行くと停留所の奥に路面電車の折り返し用ループ線がありここで各方面への送迎バスが折り返しをしていました。車庫行きは連節バスで乗り込むとさらっと席が埋まるくらいで発車します。


 20分ほど走ると車庫に到着しました。広い車庫の敷地の一角に保存車両用の車庫が1棟ありその周りがイベント会場です。この日運行されていた保存車両は路面電車2編成、トロリーバス2編成、バス2両でさらに車内が開放された状態で展示された車両がいくつも並びそれぞれ自由に観覧できました。また軽食にビールやワイン、ミードと酒類の屋台が立っているので乗ったり見たり飲んだり食べたりと忙しくなります。

 にぎやかな会場の隅には乗って来た送迎バスと同様に縁の下の力持ちというのか現役の車両の路面電車(右下の画像)が時折地味に発着していました。これは車庫前の停留所とイベント会場を結ぶものです。何かと車両の出入りがある車庫だけに安全のためか車庫の門とイベント会場の間を結ぶ一般客用の歩道がないのでこの間の行き来をするときはこれを利用することになります。片道200m程度のものですがそのためにわざわざ電車が往復しダイヤも作られているとなるとなんだかゼイタクな感じです。


 路面電車・トロリーバス・バスと常に何かしら動いているのでどれにしようか迷うところですがまず1948年製の電車50号に乗ってみました。2軸の小さな車両ながらトレーラー2両を牽くのでなかなかの迫力です。


 車庫の敷地内には路面電車の軌道と架線、トロリーバスの架線が並んで大きな環状をなしこれが試乗コースとして使われていました。反時計回りで一周800m程度あり結構乗った気になれます。かぶりつくか腰掛けるか、廃車体や目立つ黄色に塗られ事業用車になっているお馴染みの丸いタトラ(T3)が見えたり、と短い乗車時間にあちこち目移りしますがそう混んでいるわけでもなく無料となれば気が済むまで何度でも乗ればいいわけであせる必要はありません。


 同じく2軸の94号(1949年製)とトレーラーは環状線ではなく保存庫前のごく短い区間を行ったり来たりしていました。一部整備工事中で展示のみだった1919年製の古豪25号は木目が美しく映えます。


 『Barborka』と名付けられた1922年製の21号はちょっと変わっています。ヘッドマークがつき側面に名前のロゴが貼り付けられカラフルに塗られた車内にはチェコの有名な絵本やアニメのキャラクター『クルテク』などが手描きされていてかわいらしくなんだかホッとしました。


 新性能の車両もタトラ(Tatra)T1の528号(1957年製)、T2の681号(1961年製)と保存されています。続けて見るとオストラヴァをはじめ各地で現役のT3のスタイルに徐々に近づいているようで面白く感じました。


 保存車両はまだたくさんあるのでこのページはここまでとし後編に続きます。


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