チェコの国内国際列車


 以下はチェコの北東部からポーランド南西部にまたがるシレジア地方で国際列車に乗ったときの話です。


 ポーランドとの国境にほど近いチェコ北東部のKrnov駅ホームにOlomouc行とJesenik行の列車が並んでいます。経由地と行先が書かれた案内看板が置かれなかなかいい風情なのですがまじまじと見てあれっ、と思いました。これから乗る手前の列車はJindrichov ve Slezskuを出たあとポーランドに入ってひと駅(Glucholazy)だけ停まり、その後またチェコに戻ってJesenikに向かうという2度国境を跨ぐ国際列車ですが、看板には「Jindrichov ve Slezsku経由Jesenik行」とチェコ国内の経由地と行先しか書かれていません。日ごろ島国で暮らしていると外国の駅を通るなんて大ごとのように思え、国際列車なら当然ポーランドの経由地を書きそうなのにそれがないので意表を突かれました。

 この黄色い気動車は一見新しそうですが従来からチェコのローカル列車で活躍している2軸のレールバスとその付随車を2両または3両固定編成に改造したものです。客室は一部乗降しやすい低床スペースがあるものの大半は4人掛けのボックスシートが並び短い車体ながら案外落ち着ける雰囲気でした。


 Krnovを出発した国際列車はポーランドに向かう非電化の単線を北上します。今回はまず20分弱ほど乗ってTremesna ve Slezskuで降りOsoblahaまでの狭軌(760mm)路線に寄り道しました。(狭軌路線の話はこちら)Osoblahaから戻るとまだ国境を越えない隣のJindrichov ve Slezsku止まりの列車(右の画像)が来たので今度はこれに乗ります。


 この列車は両運転台のレールバスと付随車の2両編成でどちらも黄色い車両の原形にあたる車両です。客室は2列の4人掛けボックスシートと3列の6人掛けボックスシートが並びやや窮屈ですが運転室は正面が大きな2枚窓なので開放感がありました。


 10分弱でJindrichov ve Slezskuに着くと付随車には運転台がないのですぐに機回しが始まります。ねじ式連結器だと作業がやや面倒そうにも見えますが運転士さんと車掌さんだけでごく手際よく済ませていました。


 ポーランドの方から木材を積んだ貨物列車が着いてしばらくすると交換するカタチで国際列車のJesenik行がやって来ます。2両固定編成の改造車に原形が1両くっついた3両でしたが着くとすぐに原形の方が切り離されました。


 2両になって発車するといよいよ次の駅はポーランドのGlucholazyです。特に国境がどこかと注意していなかったですが突然ロングレールでなくなりジョイント音が始まったのでおそらくその付近が国境ではないかと思われます。腕木信号機が見えたのち広くがらんとしたGlucholazy駅に着くと降りた乗客は私だけでした。この次の停車駅はまた国境を越えたチェコなので結局私以外の乗客は国際列車に乗ってはいたもののチェコからチェコへと国内移動をしていたことになります。となると国際列車ながら国内列車みたいでもありなんだか面白くなるところです。列車はこの駅で前後が逆になりポーランド側の駅員さんが出発合図の丸い札を出したらまたチェコへと去って行きました。


 Glucholazy駅はポーランドの駅ながらチェコからの国際列車が毎日運行なのに対しポーランド側の定期旅客列車は土休日のみとこの点も面白いのですが、あいにく訪問日は平日だったのでポーランド側に鉄道で抜けられません。またGlucholazy駅は街外れにあり駅前にバス停や店などはないので1km南に離れたGlucholazy Miasto駅まで歩きました。ここは街の中心に近く駅前にはバス停がいくつか並ぶほか折り返すバスも溜まっていてちょっとしたバスターミナルという感じです。ここからバスで北上しNysaという街に出ました。Nysa駅は毎日列車の運行があります。


 というわけで一風変わった国際列車や狭軌列車がありなかなか楽しめる国境付近でした。


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