ケーブルカーの貨車に載った客車に乗る


 ドイツのテューリンゲン州にちょっと変わったケーブルカーと電車(Oberweissbacher Berg und Schwarzatalbahn)があるというので乗りに行きました。


 テューリンゲン州南部で単行の気動車に乗って着いたObstfelderschmiede駅がくだんのケーブルカーとの接続駅です。ケーブルカーに乗る前に駅の先を見に行くとケーブルカーの駅に向かって勾配がある側線がのびています。


 この側線の端はケーブルカーの駅にくっついたターンテーブルです。ここのケーブルカーは一般的な客車と上面にレールが敷かれ車両を積めるようになっている貨車が交互に上下するもので、側線とケーブルカーの貨車上はターンテーブルを介して車両を授受できる仕組みになっています。普段はこの貨車に客車を載せたままにして客扱いしているのでケーブルカーの貨車に載った客車に乗ることができるというわけです。


 貨車でない方のケーブルカーはよくある階段状の車両でこれは特に変った感じはありません。まずこれに18分乗って上側の駅Lichtenhainまで上がるとこちら側も貨車を授受出来るようになっている様子が見えます。


 ここにもターンテーブルがありその先は電化されている一般鉄道です。つまり下側の非電化区間と上側の電化区間はケーブルカーの貨車を介してつながっていることになります。ただケーブルカーやターンテーブルはそう大きくないのでかなり寸詰まりの車両でないと載せられませんけれども。ケーブルカーの貨車に載る客車は夏季はオープンカーですが冬季は普通の客車と季節に合わせて使い分けられ後者が側線に置かれていました。


 乗り換えた寸詰まりの電車の扉とパンタが真ん中につき両運転台という姿はなんだかおもちゃみたいな可愛らしさです。ケーブルカーからこの電車に乗り換えると間にひと駅挟んでわずか8分で終点Cursdorfに着いてしまうあっけなさでした。乗る時間は短いもののこんな電車に揺られて緑がきれいな車窓を見ていると絵本の中にでもいるような気分になれます。


 こちらは一般車両に連結されていた側面の窓が吹きっさらしで天窓付の車両です。乗る時間はわずかなのにずいぶんと凝った車両を入れているものですね。


 電車に乗ったあと戻りの下りのケーブルカーは貨車に載った客車に乗りました。上りで乗った一般的なケーブルカーの車体と違い客室が階段上になっていないので乗降口は上側の1ヶ所のみです。下側でかぶりつくとだいぶ高く香港の路面電車に乗って二階最前部から見下ろす気分をちょっと思い出しました。さらにバッファーとねじ式連結器のフック、レールとケーブルを見ていてこういう感じもどこかで、と頭に浮かんだのがトリエステのケーブルカーに押される電車です。仕組みは全然違いますがケーブルカーで車両が上り下りする点とバッファーから連想してしまいました。


 客車・貨車どちらのケーブルカーにも車掌さんが乗っています。下りではケーブルカーの絵がラベルに描かれたリキュールの販売があり10人ほどの乗客のうち3人が買うというなかなかの売れゆきでした。乗車時間が短いのですぐ開けて飲む人はなくまずはお土産用のようです。私は車上では買わなかったのですが昼食をとるため下の駅に隣接するレストランに入ったらその小壜がオマケにつくというメニューがありこれでひと口味見できました。ビールも頼んだので続くことになってしまいケーブルカーで下って来て昼からメートルが上がるのは仕方がないところです。そんなわけで面白いものに乗って続く昼食もケーブルカーのラベルを見ながら飲み食いと大変楽しいひとときになりました。


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