鎮海線のセマウル号


 海軍と桜で有名な慶尚南道昌原市の鎮海に向かう枝線の鎮海線に乗りに行くことにしました。


 まず向かったのは慶全線と鎮海線が分岐する昌原駅です。釜山から光州まで韓国南部を東西に結ぶ慶全線は規模は大きいもののローカル線というイメージでしたが、電化が進んでKTXが乗り入れるようになり昌原駅はガラス張りの立派な駅になっています。

 鎮海線はローカルな枝線ながらムグンファ号はなく大邱からのセマウル号だけが4往復という妙な列車設定です。なので昌原から鎮海まで20km弱しか乗らないのに運賃は4700wとだいぶ高くついてしまいます。日本で特急に乗ることを考えたら激安ではありますけれども。


 セマウル号は前後端の車両が動力車のプッシュプル式です。乗り込んで大きく立派な座席に腰掛けると短時間しか乗らないのが残念になってきます。走り出すとレールが短く継ぎ目の音が賑やかな支線らしい雰囲気になりますが分かれて1駅目の新昌原までは鉄道車両と戦車を作る現代ロテムの工場がある都合で電化されているのはちょっと面白く、この工場を車窓から覗くのも楽しみの一つです。


 新昌原からは非電化になります。工場が多い地域をのんびり走り昌原から20分ちょっとで終着駅の鎮海です。鎮海線はこの駅でスイッチバックしもう一駅先の海軍施設内の統海まで続いています。


 小さい駅舎を出て昌原方の跨線橋に上ってみると側線の多い駅がよく見えました。KTX開業前は韓国の鉄道を代表する花形列車だったセマウル号を短い枝線の鎮海線で見るというのもなんだか不思議なものがあります。そのギャップも面白く短い時間ながら楽しく乗れました。


(2011年訪問)


景色は乗った後に(表紙)韓国もくじ>このページ

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