加平のレールバイク


 ソウルと春川を結ぶ京春線は近年線形改良と電化で高速化が進みました。これに伴って廃線になった区間や廃駅の一部がレールバイクや鉄道公園といった鉄道にちなんだ施設になっています。そのレールバイクに乗りに行くことにしました。


 京春線を利用したレールバイクのコースは加平発、京江発、金裕貞発の3つがあります。特にここというこだわりもないので加平市外バスターミナルから徒歩で行け便利な加平からのコースにしました。加平川に近い加平のレールバイク受付場所に行くと売店、駐車場が設けられ片隅には撮影用(?)のレールバイクも置かれています。受付後レールバイクに乗る場所は加平川に架かる鉄橋の上なのでこんなとこから出るのかとびっくりしました。


 川の上で眺めのいい乗り場にはターンテーブルが設けられなんだかわくわくする雰囲気です。ここのレールバイクは2人用と4人用があり今回は2人だったので2人用に乗りました。料金は1台単位なので奇数人数で乗ると損することになります。


 実は、というのもヘンですがこのレールバイクは電動です。ちょっと漕ぐとスイッチが入りあとは漕がなくても進んで行くので自転車というより電車と言った方が近いのかもしれません。ちなみに以前やはり韓国内の旌善レールバイク(旌善線の末端を利用)に乗ったときは電動ではなくちゃんと漕がなければならないものでした。ただ旌善レールバイクは基本的に下り坂が続く片道コースなのに対しここ加平のコースは往復するものなので電動でないとへたばってしまう人も出て来るかもという配慮でしょうか。そんなわけでろくに漕がないまま加平川の対岸に着くとポイントを通過し単線になりました。


 単線区間はあまり長くなく、少し先の北漢江を渡る鉄橋の手前でまた複線になります。北漢江を渡っていると途中で「ようこそ江原道春川市です」という立札が目に入りました。ここが京畿道加平郡と江原道春川市の境で、このレールバイクのコースは道境を跨いでいるというわけです。単純なもので見たらなんだかすごく遠くに行くような気がしてきました。南の下流側には京春線新線の鉄橋が見えます。


 このコースにはクルマも通る公道の踏切があり警手さんがいて遮断機が下りるというかなり本格的なものです。電動ということもあってだいぶホンモノの(?)鉄道に乗っているような気分になりました。そんなこんなで面白がっていると結構あっという間にコースの折り返し地点になっている旧京江駅に着いてしまいます。加平から約4kmの道のりに20分ちょっとかかりました。

 旧京江駅は小さな元駅舎が受付として使われているほか売店や写真販売ブースなどがあり華やいだ雰囲気です。ここでしばらく休憩した後の復路も飽きることなく楽しめ大変満足しました。(販売される写真の撮影ポイントは往路の途中にあります。観光地や遊園地の乗り物に時々ある仕組みですがもしこういうのが好きで買いたいと思っているならなるべくいいポーズや表情をとれるよう心の準備をしておくとよさそうです。)


(おまけ)

 かつて「冬のソナタ」の撮影地であることから多くの日本人が訪れたという加平の南怡島に豆汽車が走っています。機関車にBENKEIなんて書いてあるくらいで日本製(朝日テック)です。よくあるような遊園地の乗り物ではありますが駅が1つだけのエンドレスではなくループ折り返しの2つの駅間はそこそこ距離があり途中駅らしき設備もあったり踏切も多かったりで結構島内の交通機関っぽい雰囲気でした。


(2019年訪問)


景色は乗った後に(表紙)韓国もくじ>このページ

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