花郎台駅跡の鉄道公園


 ソウルと春川を結ぶ京春線は近年線形改良と電化で高速化が進みました。これに伴って廃線になった区間や廃駅の一部がレールバイクや鉄道公園といった鉄道にちなんだ施設になっています。その鉄道公園を見物しに行きました。


 鉄道公園は廃駅になった京春線花郎台駅を利用したもので、同じ駅名ながらソウル地下鉄6号線の花郎台駅からはやや離れています。地下鉄で花郎台駅に着き4番出口に上がるとすぐ目の前に京春線旧線跡を利用したレールの残る遊歩道があり、これを東に歩いて行くと10分もしないうちに鉄道公園前に着きました。鉄道公園前の踏切跡は路上のレールは撤去されているもののいくらか施設が残っています。


 鉄道公園の入口には「京春線スプキル」と大きく書かれ「キョンチュン線森の道」と日本語もついていました。施設の隣には陸軍士官学校がありそちらはややものものしい雰囲気です。花郎台という駅名の由来はこの学校がそう呼ばれることからきています。


 公園内に入るとまずニブロク・762mm軌間の蒸機ヒョギ1と客車2両が目につきました。案内板には日本語で「1951年に日本で製造し、鉄道庁釜山鉄道車両工場で組み立てて完成した。」とあったので蒸機といってもそこまで古くはないようです。また「1975年から子供大公園に展示されてきたが、2017年5月にキョンチュン線森の道公園に移した」そうなので走っていた期間はあまり長くなく展示物としての期間の方がずっと長いことになります。車内に入ってみるとニブロクだけありだいぶ狭く感じました。


 続いて木立の中に置かれたソウルの路面電車の模型を見物します。以前は民俗博物館で展示されていたものでそこで見物して以来なのでちょっと懐かしくなりました。運転台がちょっと変わっていて、似たようなバーのブレーキがついた動態保存電車にオランダ・ハーグの交通博物館で乗ったときソウルを思い出したものです。


 ホンモノの路面電車もチェコのプラハで走っていた丸いタトラ7255号と広島で走っていた元大阪市電の906号が置かれています。パンタが伸びきったタトラはやや間が抜けた感じがしましたが906にしても架線がない非電化の駅に停まっているとちょっと不思議な感じです。

 ニブロクの車両や路面電車のあとに標準軌の蒸機ミカ5-56やムグンファ客車を見たらなんだか大きく感じました。


 花郎台駅舎は花郎台歴史館になっていて資料の展示や転換クロスシートの客室の再現などがあります。


 という具合に鉄道の展示が散らばった園内を歩いたら森の道というだけあり緑が多くちょっと森林浴っぽい気分も味わえました。


(2019年訪問)


景色は乗った後に(表紙)韓国もくじ>このページ

inserted by FC2 system