ジェノヴァのラック式鉄道


 ジェノヴァの玄関になる駅は市街地の下を抜けるトンネルを挟んでプリンチペ駅(Principe)とブリニョーレ駅(Brignole)の二つに分かれています。そのうちの一つ、プリンチペ駅の近くに小さなラック式レール鉄道があるというので乗りに行くことにしました。


 まずは乗り場の様子から。プリンチペ駅に隣接した列車トンネルの真上にラック式鉄道の駅があります。注意すべき点はその駅付近に切符売り場がないこと。Principe駅から慌てて向かわず駅前のバス乗り場で切符を買ってから乗りに行かないと泣きを見ます…つまり私は坂を二度登ったというわけ。


 同じラック式鉄道でも木々の中を行くトリノの路線と大きく違うのは洗濯物が干してある人家の軒下を通る都市型鉄道だという点。そんなところはちょっとリスボンのケーブルカーを思い出しますが「動力感」がある分私はこっちが好みかも。(と思い出したリスボンのケーブルカーはBica線です。その後リスボンを再訪し初訪問の際運休で乗れなかったGloria線・Lavra線に乗ったところどうもケーブルカーながら動力があるようでびっくりしました。)


 乗り込むとシンプルな運転台が目に入ります。それにしてもこのささやかな乗り物にちゃんと運転士さんがいるというのは考えてみれば贅沢なことですね。


 客室はぬくもりのある木に半円の飾り窓という優雅さです。夕方の車内、登りは帰宅するらしき乗客で結構混んでいて、挨拶や世間話に満ち、いわば走る(登る)町内といった風情でした。逆にとんぼ返りの下りは乗客ゼロでしたけれど。

 そういえば日本にもケーブルカー的な斜行エレベータやエスカレータ、新交通システムなどいろいろな斜面用の乗り物が増えたもののどれもあまり優雅という感じはしません。こういうステキな電車をそのままコピーしたら地価に少しはいい影響があったりして。


 上の駅に着きました。この路線は途中に行き違いのあるケーブルカー状の配線なのですが、訪問時点では改修工事のため上側の区間は休止中。なので行き違いはなく途中までの短区間を一両でピストン運行していました。ただ乗れる時間は短くともトリノのラック式電車同様ガタガタという振動がすごいので結構乗った気になれましたが。工事後また乗りに行きたいものです。(2009年訪問)


景色は乗った後に(遠距離館)イタリアもくじ>このページ

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