シチリア島・ラグーザのループ線


 シチリア島南部のシラクサ(シラクーザ・Siracusa)とジェーラ(Gela)を結ぶFSの路線上にラグーザ(Ragusa)の街があります。この街は世界遺産の観光地として有名ですが、地図を見ていると鉄道に興味をそそられる地点があったので様子を見てきました。


 まず略図をご覧下さい。ラグーザを通る路線は険しい地形に沿ったグニャグニャの線形でループ線まであるほどです。

 複雑で険しい地形のループ線というといかにも山の中にあって行くのが大変そうという気がしますが、このループはラグーザの街に隣接しているので簡単に見物できます。なのでものぐさな乗り鉄の私でも見に行く気が起こったというわけです。


【画像★1A】

 この画像は図上の星マーク1地点付近の崖の上に立って星2地点のループ下をくぐるトンネルを見下し撮りました。

 モディカ(モーディカ・Modica)方面から来た気動車が立っている市街地の下を通るトンネルを抜け、続けてループ下のトンネルに入る直前です。

【画像★1B】

 上の画像を撮った後ずっと見ていると、トンネルを抜けた気動車はぐるりとループを回り標高を稼いでトンネルの真上をラグーザ駅に向かいます。月並みな感想ですが模型を見ているような楽しさです。


 見物も楽しいのですが、やっぱり乗らないと意味がありません。今度はラグーザ駅から気動車に乗ってループ線を楽しむことにします。目的地はラグーザから東にあるモディカ(Modica)というところです。

 幸い車両はイタリアでおなじみのAln668気動車で、これなら窓が開けられ外が見やすく安心です。


【画像★2】

 ラグーザ駅を発車しループ線のトンネルの上を越え図の星マーク2地点まで来ました。星マーク1地点がある高台のSuperiore地区とその下を抜けるトンネルが見えます。

 この車両の位置は【画像★1B】に写っている高台を走る気動車の左辺りです。


【画像★3】

 星マーク3地点からIbla地区を望みます。このあとはループを下り、ループ下とSuperiore地区下の2つのトンネルを抜けてモディカ方面へと走って行きました。

 こんな具合に世界遺産の街並を上から目線で(?)眺めながらループを楽しめるラグーザは乗り鉄も撮り鉄も楽しめると思います。


 ややおまけ気味になりますがラグーザから20分少々で着いたモディカ駅です。モディカもラグーザのように世界遺産の観光地でそこそこの規模がある街ですがこの駅で降りたのは私だけでした。

 この辺りはずっと単線非電化で、交換する長い貨物列車が駅本屋側のホームに停まっているためなかなか駅を出ることができません。車掌さんが貨物列車がどくまでちょっと待ってろ、というのでしばし見物タイムになります。走り去るまでしばらくかかりましたがそんなのんびりしたところもまた楽しい乗り鉄でした。


(2011年訪問)


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