トリエステの路面電車/登山電車


 イタリア北部の東端トリエステ(Triesute)には街中のターミナル、オベルダン(Oberdan)広場と郊外の高台にあるヴィッラ・オプチーナ(Villa Opicina)を結ぶ路面電車というか登山電車というかそのどっちにも当てはまる面白い鉄道があります。街中と高台は電車が自走、路線の途中にある急勾配区間ではケーブルカーに押し上げてもらうという変わった運行方式なのでどっちにも当てはまるというわけなのですが、ではどういう様子なのか以下画像を紹介します。


 こちらが街中にあるオベルダン広場のターミナル。FSのトリエステ駅からはやや離れていて10分程度歩くことになります。古い電車はしっかりと手が入れられ非常にキレイなのでシャレたスタイルが引き立ちます。古い電車は自転車はこのように正面に取り付けて運んでもらうことができるので、登りは電車に任せ下りは自転車で降りる、というようにしたら楽かつ非常に気持ちよさそうです。


 まずは車庫のある上終点まで乗ってみます。ケーブルカー区間はもとよりその後に釣り掛け音をたてて木立を走る区間も楽しく非常に乗りがいのある路線でした。終点から少し戻った辺りは見晴らしがきくので途中下車して休憩・見物タイム。乗った後の景色を楽しみます。


 見晴らしの後は下り電車に乗りケーブルカーとの接続地点を見物しに行くことにします。ケーブルカー区間上部にある停留所で降りると電車を上り勾配に突っ込ませるポイントが設置されているのがまず目に付きました。電車がケーブルカー区間のきつい下り勾配に突っ込んだらそれこそ大惨事なので設けられているのでしょう。幸いレールに使われた痕跡はなく濃く錆が浮いています。

 少々下ったところで待機しているケーブルカーを見に行くとグリスのついた電車のバッファーを受けとめる大きな四角い部分が顔を見せています。電車とケーブルカーのドッキングは連結器で連結するわけではなく、バッファーを介して電車がケーブルカーに上からもたれるというか寄りかかるような按配なので意外に簡素です。


 下り電車に乗って車内からケーブルカー区間の様子を見物します。ゆっくりとケーブルカーにドッキングして停車するとあとはケーブルカーに任せ支えられて下るだけなので運転士さんはしばしお休み。ケーブルカー区間にも踏切や交換設備があるので車窓は街の眺望のみならず変化に富んでいます。勾配はかなり急ですが乗っている箱は普通の電車でケーブルカーのように平行四辺形の階段状ではないので腰掛けているとずり落ちそうになりました。


 街中にある下側のケーブルカー区間終了地点に着きました。ケーブルカーが停止すると運転手さんは後位の運転台に移ることなくこのままバックでポイントの手前まで電車を戻し、ポイントが切り替わったら写真左側の本線に移って後は普通の電車として併用軌道区間を進みます。連結器の解結作業がないのでケーブルカーとのドッキング・離脱作業は上下両地点とも非常にスムーズでした。なお写真は回転軸のコントローラですが運転台が更新され縦軸のコントローラになっている車両もあります。


 この地点を外から見るとこんな感じ。街角でユーモラスな形状の新しいケーブルカーとクラシックなスタイルの電車がくっついたり離れたりしているのは面白くもまた不思議な光景でした。ここからオベルダン広場停留所までは3、400mくらいとすぐ近くです。


 以上特徴的なケーブルカー区間を中心に紹介してみました。こんな面白い乗り物が今にいたるまで日常的に走り続けているとはトリエステ恐るべしです。(2009年訪問)


景色は乗った後に(遠距離館)イタリアもくじ>このページ

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