ヴェネツィア裏口乗り継ぎ


 水の都ヴェネツィアとくれば電車もバスもないから一生行くことないかも、なんて思っていましたが、その代わりに運河が交通を担い、水上バス「ヴァポレット」が活躍してると聞いてにわかに気になり足を運ぶことになってしまいました。というわけで以下はヴェネツィアで水上バスとバスを乗り継いだ話です。


 まずはイタリア本土から鉄道で橋を渡ってヴェネツィア入りします。頭端駅の終点サンタ・ルチア駅を降りると駅前大通りの代わりに駅前大運河、バス乗り場の代わりに水上バス乗り場が並ぶという具合でさすがは水の都とまずはお約束な感心をしてしまいました。「駅前バスターミナル」からは次々にヴァポレットが出て行きます。


 バス乗り場に並んだ駅前タクシー乗り場は当然ながら水上タクシーです。停めどころに困るでしょうからさすがに流しはないと思いますが…実際どうなのでしょうか?

 右の画像は橋の少ない運河の両岸を渡す渡し舟です。お客さんは立ったままなのが絵的に面白いかも。クルマの無い街だけあって運河はまんま道路のようで、バスにタクシーに渡し舟、さらに企業名入りの配達トラックならぬ配達船に名物のゴンドラと様々な船が入り乱れていました。


 さてでは駅前で切符を買って「乗り水上バス」といきます。乗った系統は駅前からヴェネツィアの目抜き通りとでも言うべき大運河を各駅停車(各桟橋停船かな)で進む1系統。幸い舳先の方にちゃんとマニア席があったのでまずはしっかり確保しました。

 船体には系統番号と行き先を示すサボが掛けられLEDの行先表示機もついていますからこれはかなり「バス度」が高いかも。


 乗ったのが朝のラッシュ時だからか駅に向かう上りが混雑していてすれ違う船には立ち客ががたくさん見えました。運河の両岸の停留所というか桟橋にかなりきめ細かく停船を繰り返すのですが、作業はかなり手早く行われるのであまりストレスを感じません。そんなわけですっかりバス気分ですが、初乗り運賃(60分有効)が約900円(訪問当時のレート)というのにはちと都市の路線バス気分がそがれました。


★航行路線バス

 1系統は駅前から1時間ほどで終点、リド島の玄関口Lido停留所に到着。この島からはクルマが走れるため普通のバスが走っているので水上バスを降りたら普通の乗りバス開始となります。

 さて地図でヴェネツィア南部を見るとこのリド島、ペレストリーナ島(Pellestrina)とラグーンの島が細長く連なっていてなんともそそられる雰囲気です。しかも幸いなことにこの島伝いにイタリア本土のキオッジア(Chioggia)までバスと渡船の路線がつながっているのでサンタ・ルチア駅からずっと乗り継ぎが楽しめます。

 鉄道で本土から入るのが表口とすれば、このChioggiaルートはいわばヴェネツィアの裏口ではないかと勝手に思ったのでこの項の題名を「裏口乗り継ぎ」としたわけです。

 なおこの島伝いの乗り継ぎに利用するバスは11系統ですが、ヴァポレット乗船場の前にあるバス乗り場(画像左)からほんの少しですが離れた道路脇(画像右)にあるので注意が必要です。(桟橋を出て右手の方から延びている道路)わからなければその辺にいるバスの運転手さん捕まえて聞きましょう。


 さてこの11系統は起伏がなく道も直線が多いリド島ではそれほど特徴もないのですが、がぜん面白くなる大きな目玉があります。それはリド島からペレストリーナ島までバスが渡船に乗って航送されるという場面で、この航行を通してこの系統は橋やトンネルで結ばれていない2つの島を直通運転しています。リド島南端の港に着くとそう大きくない船の甲板にごくすんなり乗り入れすぐに出航。航行中はバスの扉が開けられるので一応甲板に出ることができますが、狭く他のクルマで混雑しているのであまり出歩く感じではありません。ともあれ普通の路線バスに乗りながら潮風を浴び海が動いていく様子が見えるという状況は何とも楽しいものでした。


 航送が終わってペレストリーナ島北端の港に着いてしまうと、続いてバスが走るペレストリーナ島も平坦でリド島よりやや田舎っぽいという程度。残りはあっさりとした乗りバスでキオッジア行き渡船の船着場に着きました。

 ペレストリーナ島と本土のキオッジアの間にはもうバスの航送はないのでバスを降り、ここからは普通に「乗り渡船」です。バスは少々遅れて到着したもののちゃんとバスに接続しての出航でした。この渡船もヴェネツィアのヴァポレットや先のバスと同じ交通局ACTVの管轄なのですが、さすがにヴェネツィアの街から遠くなるのでだいぶひなびてのんびりした雰囲気です。


 というわけで渡船でイタリア本土のキオッジアに到着しました。乗船場にはヴェネツィアまでの経路が一目でわかる看板が出ています。船・バス・船と乗り継ぎが絵で描かれているのはなかなかカワイイ感じですが、さすがに案内としては不要の途中のバス航送までは描かれていませんでした。船の上にバスが乗っているような絵があったらもっとカワイくなるかも。

 キオッジアは運河のある港町で、ご近所の小ヴェネツィアという感じだと言ったらご当地の方に怒られるかな。「東洋のベニス」みたいな言い方があるので「イタリアのベニス」とか…これでは意味不明ですが。工事・整備中という感じの箇所が少なからずありややわさわさしていましたが外国人観光客も結構見かけなかなか活気のある街でした。(2009年訪問)


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