ローマ・ヴィテルボ線の古典電車


 ローマの街中から北部のヴィテルボ(Viterbo)まで、100kmちょっとの距離を2時間半掛けて走るローマ・ヴィテルボ線という大物郊外電車に乗りに行きました。


★ローマのターミナル駅

 画像はまずローマの街中にあるターミナルPiazzale Flaminio駅です。1面2線と路線長の割に規模は小さめで地下というか崖っぷちのトンネルにホームがあります。井の頭線の渋谷駅と通じる印象。ここから終点のヴィテルボまでの列車は一日5本という少なさですが、途中モンテベッロ(Montebello)駅までの区間電車は頻繁に発着しています。数少ないヴィテルボ行きの時間より早く着いてしまったのでまずこの区間電車まで先行してみました。


 区間電車(画像左)は冷房なしの100形。私は窓を開けて乗るのが大好きなので冷房無しはいいのですが、投げ捨て防止か窓に保護棒が細かく取り付けられている上、そもそも窓の汚れがひどく外が見にくくて何とも残念でした。少々立ち客が出るくらい乗って発車しましたが乗客はすぐに減りのモンテベッロに着く頃はガラガラ。駅はニュータウンの入口という雰囲気で付近は閑散としていました。たった20分、15km乗るだけでずいぶんと静かな雰囲気になるものだとびっくりします。

 モンテベッロで後続のヴィテルボ行きを待って乗り換えるとやはり保護棒と冷房のついた新型300形(画像はページ下の方にあります。)が来るという厳しい乗り鉄が続きます。

 ガラガラの新型電車に1時間ほど乗ってチヴィタカステッラナ(Civita Castellana)という駅に着くと隣に1932年製の古い電車27号が停まっていました。ああこれに乗れればとタメイキをついた瞬間車掌さんが来て「ヴィテルボに行くんだよね?それなら隣に乗り換えて。」とのこと。ラッキーなことに車両交換です。あわててホームに降り運転士さんに「この電車大好きです」と言ったらポーズをキメてくれました。


 運転室にかぶりつかせていただいたので以下画像をならべます。ノッチが入るとうれしい釣り掛け音が鳴り響き、時折警笛が鳴らされ田舎ののどかな景色が続きます。駅が少なく行き違いの無い列車でヴィテルボまでの残り45kmを1時間10分で走るダイヤと言えばスピードの想像はつくでしょうか。腕木がまだ健在でしたが軌道は枕木がコンクリのロングレールと非常によく整備されているのでアンバランスな感じです。なので電車は古くともあまり揺れず乗り心地は決して悪いため意外でした。

 こんな感じに両腕を広げて運転する面白いポジションでの運転ですが、ずっと立ったままこの姿勢で運転するのは結構疲れそうです。私は見たことがありませんが、昔の阪神電車だったか日本にも両手開き電車運転ポジションがあった話をどこかで聞いた記憶がありますがこんな感じだったのでしょうか?

 前ばかりに気をとられていていましたが、後ろを振り返ると可愛らしいデコボコ4両編成が見えます。一番後ろには郵便室がある以外は先頭車27号とほぼ同じ形態の電車22号がくっつき、中に挟んだ2両はトレーラー。


★ヴィテルボ駅

 1時間少々かぶりついて終点のヴィテルボ駅に到着しました。このローマ・ヴィテルボ線ヴィテルボ駅から徒歩5分程度のところにはトレニタリアのViterbo Porta Fiorentina駅があるのでとんぼ返りではなく乗り換えることもできます。

 しばしお花と古い電車の組み合わせを見てなごんだら後ろにくっついていた22号の郵便室を見に行きます。新型の冷房車300形電車と並んでいましたが、300形が2003年製とのことですから70歳違いが同じ職場で働いているということになります。

 レトロな「R POSTE」の文字とと新しいMet.Ro.ロゴの組み合わせが不思議な感じ。なお郵便室入口はこのように高床ですが客扱いするホームは低床なので客室扉は開閉にあわせステップが連動してせり出すものです。郵便室内に入ると長いこと郵便室としては使われていない様子でなぜ連結しているのかちょっと不思議な感じがしました。編成上の都合なのか、あるいは郵便以外の荷物はまだ積むことがあるのかな。

 

 ちなみにローマのピラミッド近くにあるPorta San Paolo駅には車両展示コーナーがあり、この22号と同型の車両(21号)が保存展示されていましたので最後に画像を付け加えておきます。

(2009年訪問)


景色は乗った後に(遠距離館)イタリアもくじ>このページ

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