ラトビア「国産」近郊電車乗り継ぎ


 ラトビアの首都リガからラトビア鉄道の近郊電車が放射状に4方向走っています。このどれかに乗ってみようと考えたとき、放射状では帰りが同じルートという往復になるのがちょっと、と引っかかりました。じゃ間にバスを入れた乗り継ぎにするか、と考えるのは自然な流れ(?)です。

 といっても「これに乗りたい」と決まった路線があるわけではないのでどこか一ヶ所バスでつながればOK、すなわち手の込んだ乗り継ぎをする必要はありません。そこでリガから電車で南西のヤルガヴァ→バスで北西のトゥクムス→電車で東に向かいリガに戻る、というルートをとってみました。では以下その乗り継ぎにお付き合い下さい。


★リガ駅

 リガ駅には改札口がなく構内や通路には商店街のように店がたくさんあり、窓口で切符を買うとただのレシート状とあまり駅にいる気がしてきません。乗車前の自己改札もなくホームに上がるギリギリまで「さあ乗るぞ感」があまりわいてきませんでした。

 ホームに上がって電車が見えたらようやくこれから乗るんだという気がしてきます。電車はリガ車両製作所(RVR)製のER2。冷戦期に大量に作られロシア広軌(1520mm)の共産圏各国に広く供給されたため「どこ産の電車」というより大雑把に「あ共産圏の電車だ」「ソ連の電車だ」みたいな感じもしますが、ラトビアでは国産すなわち「本場」で乗るということになるわけ。


 車内には3+3のボックスシートが並びます。3列と言ってもそもそもの車幅や席の間隔が広いので窮屈には感じません。もっとも「定員乗車」になって真ん中とかだったら気分的に狭く感じるでしょうけれども…。扉は戸袋ありの両開きでステップがかなりの高さですからお年寄りにはつらそうです。

 さてこの電車は釣り掛けなので走行音・走行感を期待しつつ「モハ」に乗ったのですが、低音があまり響かず「うなる」ような感じが少なめでややあっさりしたものでした。なのでちょっと拍子抜けしたりも。この点は「普通の」乗客にはごく結構なことなのですけれど。


★ヤルガヴァ

 リガ駅を出るとリガの街中を抜けすぐに森林の中を走るようになり、ごくキレイな車窓を見ながら49分でヤルガヴァ(Jelgava/イェルガヴァとも)に着きました。大きい車体の「共産圏標準車」ながら駅舎側のホームを切り欠いた頭端ホームに停まっているとどこかローカル私鉄のような風情が感じられたりも。駅前に出ると市内バスの停留所が目立つくらいですぐに公園が広がる閑静な雰囲気です。


 閑静、ということは街中からやや離れているわけで、駅から北の街中にあるバスターミナルまでは歩いて15分ほどかかりました。バスターミナル前には商店街があり駅前よりは街らしいのですが、それでもそれほどにぎやかというわけではありません。

 建物は古び駐車場には穴ぼこが結構空いてましたが落ちているゴミは少なくよく掃除されている様子でした。ここで乗るのは私の目的地トゥクムスを経由しバルト海に面したヴェンツピルス(Ventspils)まで170〜180km程度を走る比較的長距離のバスです。


 比較的長距離ということはある程度主要な停留所にしか停まらない便だろうと思って乗ったら細かく停まっていくローカルなバスでした。画像程度の一般道をずっと走り、起伏は少なく車窓は林に牧場にトウモロコシ畑と広々。ラトビアでは買った花でも包まずそのままじかに持って歩くことがよく見られ、当然というべきかそのままバスや列車に乗るため車内が華やかになります。


★トゥクムス

 というわけでヤルガヴァから1時間5分でトゥクムス(Tukums)のバスターミナルに着きました。待合所もないようなところで端の方にはあまりバスらしくないバス(?)が数台待機しています。


 バスターミナル前の道を挟んだ向かい側がトゥクムス1駅(Tukums1。西隣にTukums2という駅もあります。)なので乗り換えは容易です。この駅とバスターミナルのあるところからトゥクムスの街の中心までは西に坂を上って10分〜15分というところ。リガ行きの電車に乗る前にちょっと歩いてみたらごく静かな街でした。

 駅舎に入ると大きなストーブが見え冬の厳しさを想像させられます。帰りのリガ行きもER2でまた「モハ」に乗ったらやはり割と静かな釣り掛け音。これに1時間20分ほど揺られたらふりだしのリガに着き一周の乗り継ぎはおしまいです。


★更新車

 あとはおまけです。戻ってきたリガのホームになんだかずいぶんと改造されたER2のSkulte行きが停まっています。「顔」や塗色はもとより扉も戸袋を使わないプラグドアになっていたりでかなり雰囲気が違い興味がわきました。試しにちょっと乗ってみたところ足回りはそのままらしく走行音は同じ感じ。ただ内装にもかなり手が入り一見最近の車両のようで、防音対策も進んでいるらしくかなり静かです。ここまで手を入れるからには当分使うつもりなのでしょう。


景色は乗った後に(遠距離館)ラトビアもくじ>このページ

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