ヴィリニュス→ワルシャワ首都間乗り継ぎ(前編)


 リトアニアの首都ヴィリニュスとお隣ポーランドの首都ワルシャワ間は鉄道で移動しようとするとあまり便利ではありません。軌間が違う(リトアニアはロシア広軌1520mm・ポーランドは標準軌1435mm)こともあってか直通列車はなく、リトアニア第二の都市カウナスと国境に近いシェシュトカイ(Sestokai・リトアニア側)で2回乗り継ぎが必要になります。(距離574km・乗り換えの待ち時間込みで所要10時間40分)

 ただこの区間は直通国際バスだと速い便でも8時間程度かかりますから鉄道を選択するのもそうムリという感じではありません。例えばヴィリニュス駅の国際切符売り場でワルシャワまでの切符を頼んだところ、切符と共にあらかじめ用意されていたワルシャワまでの乗り継ぎ時刻をコピーした紙片を渡されました。そんなものを用意する程度にはワルシャワまでの切符が売れるのでしょう。

 その切符を持って乗り継いだ経路のうち、ここ「前編」ではまずリトアニア国内の端っこにあるシェシュトカイまで進みます。


★ヴィリニュス駅

 ではヴィリニュス駅から乗り継ぎ開始、の前にさらに前置き。ワルシャワまでの最短の乗り継ぎに従うとヴィリニュス〜カウナス間は新型の二階建て電車による快速(11:15発)になってしまいます。新車はできれば避けたかったので、それより早い時間に出る釣り掛け電車ER9の鈍行カウナス行き(8:42発)に乗ることにしました。

 というわけでその鈍行に乗ろうと朝のホームに入ると駅の端に保存蒸機が置かれているのが見えます。広いホームにはクルマも走り一瞬道路に見えたりも。

 左がカウナス行きの鈍行。車内は3+3のボックスシートでした。ER9は3+2に改造されたものもあったりいろいろです。

 駅舎側に停まっている客車はロシアのサンクトペテルブルクから来た夜行列車。私もラトビアからリトアニア入りするときこんな感じでちょっとだけお世話になりました。


 さてこの鈍行はカウナスまでの104kmを1時間44分で走ります。快速より30分程度余計にかかるものの優等の退避もなくごくスムーズ。リトアニア鉄道に電化された複線区間は少なくこの首都と第二の都市を結ぶ路線の附近くらい、ともなればリトアニアを代表する幹線と言ってよさそうですが車窓は人家も少なくごくのんびりしたものでした。

 左の画像は鈍行のみ停まるKaugonys駅。(犬小屋みたいに見えるものは井戸)こういう小駅は周りが野原に畑、という感じのところが多くひなびています。右は快速も停まる駅らしい駅のZaslial。ちょうど掃除中なのが見えるようにどの駅もキレイです。


★カウナス駅

 (公式の?)接続列車より早い列車に乗ったのでカウナスでは時間に余裕があります。一旦街に出てケーブルカーに乗り、昼食を済ませて戻るとビリニュスからの快速二階建て電車とこれから国境近くのシェシュトカイ駅に向かうDR1気動車が並んでいました。二階建て電車はチェコのシュコダ製でこれの標準軌版は本場のチェコで見られます。()

 DR1はラトビアのRVR製で前からキクハ+キサハ+キハの3両編成。ラトビアで乗ったものと同形ですが後方のキハの顔(右の画像)ははちょっと印象が違いやや平面的です。


 運転室側面の方向幕がいい味出してます。座席はAR2同様の2+2ボックスシートでゆったりした印象。「キクハ」には自転車置き場と車掌室がありました。


 さてカウナスを出るとまずはリトアニアの西隣にあるロシアの飛び地「カリーニングラード」に向かう複線を走ります。ここはロングレール区間で落ち着いた走りが30分ほど続きますが、Kazlu Ruda駅で分岐し南に向かうシェシュトカイに向かう単線の路線に入ると短尺レールになりジョイント音が鳴り響いてがぜん楽しくなってきます。

 私のみならず同じ車両に乗っていた小学生の団体も大喜びで、ジョイント音にあわせてみんなで拍手をはじめ、しばらくやけにみんな揃って叩くなあ、と思っていたら最後は「ブラボー」と叫んでいました。アンコールの手拍子を思い出してマネしてたわけね。そういう発想が出てくるところがいいなあ。車窓に目を移すと複線区間・単線区間と続けて木々の間だったのが徐々にひらけ畑や牧草地になり明るくなってきます。

 ノリのいい小学生が先生に連れられて降りたのがシャレた駅舎のMarijiampole駅。カウナスからここまでの区間列車は1日3往復ありますが、さらに先まで行く列車は1日1往復(このシェシュトカイ行きとその折り返し)だけになります。


 列車の少ない区間になりますが車窓はそう変わるわけでもなく畑に牧草地という風景が続きます。牛が草を食みミツバチの巣箱が置かれているのどかな風景のなかに風車が見え、そういえばラトビアから列車でリトアニアに入って最初に降りた町が原発の町ヴィサギナスだったのを思い出しました。リトアニアに入ってから出るまでを全部乗り継ぎと見ると最後も発電絡みでなんとなくオチがついた気がしたりも。


★シェシュトカイ駅

 とまあのんびりしているうちにカウナスから1時間38分でシェシュトカイに着きました。国境はまだしばらく先ながらここが運行上の境界線になります。着いた島式ホームの片側3番線は1520mm、もう一方の側2番線は1435mmと一つのホームに違う軌間の線路が並ぶのが面白くまたうれしい点。ちゃんと3番線:ヴィリニュス方面、2番線:ワルシャワ方面と書かれた案内板が出ています。

 乗り継ぐワルシャワ行きはまだ到着しておらず、その折り返し発車は45分後なのでしばらく時間が空きます。駅の周りは人家こそあるものの売店もないようなところで、ネコがあくびをしているのを見ていたらこちらもつられて眠くなってしまいました。(後編につづきます。)


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