ヴィリニュス→ワルシャワ首都間乗り継ぎ(後編)


 リトアニアの首都ヴィリニュスからお隣ポーランドの首都ワルシャワまでの乗り継ぎ話のうち、前編はリトアニア側の列車に乗って国境近くのシェシュトカイ(Sestokai)駅まででした。後編はここからポーランド仕立ての列車に乗って国境を越えワルシャワを目指します。


★シェシュトカイ駅

 カウナスからDR1気動車でシェシュトカイに着くと、ポーランド方面への切符を持っていない人が切符を買うため駅舎に入っていきます。ヴィリニュスで既にワルシャワまでの切符を買って持っている私もちょっとヤジウマ。窓口は1つだけで開いている時間は12:10〜16:40とあります。ここに来る旅客列車はリトアニア側とポーランド側それぞれから1日1回だけ、にしては割に長く開いてると言えるのかも。

 駅舎を出て駅前にあるバス停を見るとヴィリニュスから出るLazdijai行き・Marijampole行きがそれぞれ1日1往復ずつ経由しているとあります。さらに駅の周りをちょっと歩いてみたのですがちょっと何か買えるようなお店は見当たりませんでした。なので老婆心になりますが、このルートでリトアニアからワルシャワに向かう場合は「シェシュトカイ行きに」乗る前に飲み物・食べ物を用意することをオススメします。シェシュトカイからワルシャワまで直に行く場合は6時間以上乗りっぱなしになりますから。


 駅構内に戻ります。左の画像はホームからカウナス方を見たところ。左がリトアニア側列車用のロシア広軌1520mm、右がポーランド側列車用の標準軌1435mmです。国境を越える区間は標準軌で、旅客列車はポーランド側の列車がリトアニア側のここシェシュトカイまで足を延ばし折り返すという運行形態がとられています。

 振り返って逆光のまぶしさをこらえつつポーランド国境方を見ると、並ぶのはワルシャワからやって来たポーランドの客車列車とリトアニアの気動車。ポーランドの機関車は到着後すぐに切り離され機回しを始めます。リトアニア側の自動連結器と違い西欧でおなじみのねじ式連結器ですから係員の方がバッファーの間に入る連結作業ですが、久しぶりに見るとやっぱちょっと怖いシーンかも…。ともあれ機関車が2等客車3両と1等客車1両を引っ張る編成が出来上がりました。


 機回しを見物したら乗車。2等のコンパートメントは4列8席、1等は3列6席とそれなりに差がついています。室内はよく清掃されている様子で、各室の窓下についている小さなゴミ箱にはきちんとビニール袋が掛けられていました。座席の上部につけられた鏡もピカピカです。


★四線軌条

 15:23にワルシャワに向けて出発。車掌さんが手笛を吹くのでちょっとびっくりしました。(ラトビア・リトアニアでは聞かなかったので。)木材を積み出す側線を見ながらシェシュトカイを出るとまずは広軌1520mmと標準軌1435mmが重なった四線軌条区間を走ります。シェシュトカイはポーランドからの列車が折り返す駅ではあるものの国境最寄りの駅ではなく、国境を越える前にもうひとつリトアニア国内の駅がありそこまでが四線軌条区間です。「広・標・広・標」と敷かれ中心が揃っていないのでちょっとガントレットにも似た雰囲気。


★国境区間

 四線軌条区間が終わるリトアニア側最後の駅Mockavaでは客扱いをせず通過し、標準軌だけになって国境越えの区間に入ります。なおリトアニアとポーランドはどちらもシェンゲン協定国なので国境は自由に通過できるはずなのですが、どういうわけか走行中にパスポートのチェックがありました。またリトアニア・ポーランドの間には時差があるので時計を1時間戻さなくてはなりません。そんなわけで同じシェンゲン協定内の国境でもラトビア→リトアニアよりはずっと国境越えらしい感じがしました。

 そろそろ国境かな、とわくわくしながら車窓を見ていたものの畑や牧草地が続くばかりでこれといって目印になるものがありません。たぶんこの辺?というところの画像(下の2枚)を一応貼ってみますが全然違っているかも…まあ気分だけでもということで。


★ポーランド入国

 白黒の縞々の棒が立っているリトアニアの踏切とは違う、上だけちょっと赤く塗られた棒が立つ踏切に変わったのでこれはさすがにポーランドに入っただろう、と思っていたら間もなくポーランド側最初の駅Trakiszkiに停車しました。駐車場の隣に馬がつないであるけどこれって駐馬場かな?

 この駅の発車時刻は15:03、シェシュトカイ発が15:23だったので単なる時差のイタズラとは言え妙な感じです。


 Trakiszkiの次に停まるのがSuwalki駅。ここまでは定期旅客列車がこの列車だけ、つまり1日1往復だけしか走らない区間ですがSuwalkiからはポーランド側の国内列車も走る区間になります。この駅は途中駅ながら行き止まり状になっているので12分停車時間をとって機回しをしスイッチバックしました。ちなみにこの列車名は「Hancza」といい、ここSuwalki近くの地名をとったもののようです。


★機関車付け替え

 その後Sokolka駅からは電化(単線)区間に入りますが機関車はそのままで進み、複線になるBialystok駅で12分停車する際電気機関車に付け替えられます。ポーランドの車両は「大目玉」のライトがユーモラスですね。

 後ろでも何か音がするので見に行ったら凸型の入換機関車により2等客車が3両増結されていました。前後同時進行の器用なワザに感心。Bialystokはそれなりに規模のある街だけあり乗客がどっと増えましたからなるほどと思うところです。増結した分以上乗って来たのでこちらの車両も席が埋まりウロチョロしにくくなりました。


★ワルシャワ到着 

 18:04にBialystokを出ると満員になったコンパートメントは各自靴脱いだりいろいろ食べたりとそれぞれにリラックスして過ごしていますが、やはり「8人掛けのボックスシート」ではやや窮屈な感じ。暗くなってくると本を読んでいた中ほどの席の人がスイッチのある通路側の人に「そろそろ室内灯をつけましょう。」と頼んだりするのはちょっと面白いところです。

 他人が食べているのを見ると食べたくなるもので、私も買ってきたサンドイッチやおやつをつまみながら夜景を眺めること3時間弱、ワルシャワ中央駅に21:00、定時で到着しました。この列車はもうひとつ先のワルシャワ西駅が終着駅なのですが私はここで下車。またほとんどの乗客もこの中央駅で降りていました。ここまでシェシュトカイからの376kmを6時間37分かけて走ったので単純に表定時速でみると56.8kmですが、前半の国境越え・非電化・単線では低速運転、後半の複線電化区間で飛ばす、という具合にメリハリがあります。

 ワルシャワ中央駅は通過式の地下駅なので、長距離列車が発着する様子を見ているとちょっと台北駅を思い出してしまったりも。

 それはさておき夜の9時到着というのは遅めではあるけれどまだ街中を普通に移動できる時間ですし、シェシュトカイの乗り換えは同一ホームと使い勝手は悪くなくリトアニアからの移動にはなかなか使いやすい列車だと思いました。


景色は乗った後に(遠距離館)リトアニアもくじポーランドもくじ>このページ

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