リスボンのケーブルカー


 リスボンのケーブルカーは路面電車とともに走る観光名所のような存在です。Bica線・Lavra線・Gloria線の3路線があるので順番に乗りつぶしてみました。


 まずBica線から乗ります。電車通りに面した下の駅の入口はご覧の通りステキというほかありません。ガントレット状に軌道が突っ込んでいるホームではヤグラの上にパンタを2つ載せた小さなケーブルカーが待っていてくれます。

 ワンマン運行で運転士さんが下の駅で運賃を収受するため下から乗る時は先払い、上から乗る時は後払いです。狭い併用軌道のケーブルカーというのは面白いものですがそれだけに運転士さんは油断なりません。あっさりした上の駅というか停留所というかに着くとイベリア半島を代表する大河テージョ川が見え、洗濯物がひらめく下にケーブルカーというリスボンの観光写真によく使われる風景が目の前です。


 続いてLavra線に向かいました。ここの軌道は上部が複線状、下部はガントレット状になっています。Bica線には以前乗ったことがあったのですがそのときは他の2線が運休中だったのでここは初乗りということになり馬面の面白い顔にわくわくしながら乗り込みました。

 電車のような運転台にかぶりつきます。運転士さんがコントローラを回すと釣り掛け音のようなものが聞こえるのでおかしいなと思い、降りた後で床下を見たらモーターが見えびっくりしました。どうやら電車2両をケーブルで繋いでいるという感じのシステムのようですがこんなケーブルカーもあるのですね。パンタグラフを見上げるとポールのホイールのようなものがついていました。

 上の駅は落書きはさておきステキなデザインの相対式ホームです。駅を出ると架線柱・架線、さらには軌道を埋めたような跡が見られました。かつて路面電車が来ていたようです。


 さらにGloria線に行くとLavra線と同様の車両が待っていました。

 上部が複線状、下部はガントレット状という点も同様です。上の駅が突き当たる道路に出ると路面電車の架線柱・架線のみならず軌道も残っているので電車がやって来そうな気がしました。(復活しないかなあ、と思っていたら訪問後の2018年にここを走る24系統が運行を開始したそうなので乗り継ぎを楽しめるはずです。)


 という具合に3線乗りつぶし、街の中によくこんなケーブルカーを残しているものだと改めて感心させられました。


(2015年訪問)


景色は乗った後に(表紙)ポルトガルもくじ>このページ

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