観光軽便鉄道の併用軌道


 フランス国境からそう遠くないカタルーニャ地方山間部の町ポブラ(La Pobla de Lillet)に軽便鉄道があり観光用に運行されているというので乗りに行くことにしました。

 目的の軽便鉄道はポブラ周辺で完結していて外部の鉄道とはつながっていません。公共交通でポブラに行く場合はベルガ(Berga)という町からのALSAバスを利用することになります。今回はバルセロナから向かったところ所要時間はバルセロナ→ベルガ1時間55分、ベルガ→ポブラ45分でした。画像左上はバルセロナ発のバスでベルガに着いたところ、左下はベルガ発のバスでポブラに着いたところです。降りると観光地でよく見られる汽車風トレーラーを見かけました。

 ポブラの町中に入っていくと併用軌道の通りがそのものずばりの「鉄道通り(Calle del Ferrocarril)」になっています。か細い600mm軌間で路面電車と違い架線もなくやや頼りない感じですが、客車を連ねた列車が狭い町中をそろりそろりと走って来ると予想以上に迫力がありました。


 列車が来るとクルマが詰まってしまうのも面白いものです。この観光列車はほぼリュブラート川(El Llobregat)に沿い、ポブラの町を間にはさみ下流側の駐車場のある場所(La Pobla de Lillet)から上流側にあるセメント博物館(Museu del Ciment)までの3.5kmを20分で走っています。町の中の併用軌道を見物した後は下流側(右の画像)に歩いて向かうことにしました。


 町の外に出てもLa Pobla de Lillet駅のすぐ近くまでほぼずっと併用軌道が続き人もクルマも通行可能です。La Pobla de Lillet駅(左下の画像)に着くと次の列車の発車時刻までしばらく間があったものの鉄道博物館(入場無料)が併設されているので時間をもてあまさずに済みました。500mm、600mm、770mm、1000mmとカタルーニャ地方の様々なメーターゲージ、ナローゲージ、産業鉄道の車両が並びなかなか立派です。ちょっと変わったところで現在は電車化されているモンセラット(Montserrat)の登山鉄道で昔使われていたアプト式の蒸気機関車というのもありました。


 博物館を見ているうちに列車の発車時間になりあまり人気が無かった駅がにぎやかになります。軽便の観光列車とは言えディーゼル機関車に板張りロングシートの客車4両となると堂々としたものです。


 既に歩いた併用軌道を進み町中に入るとLa Pobla Centre駅(左端の画像)に着きます。ここはホームがそう長くなくかなりはみ出して停車していました。高床なのでホームに掛かっていない車両からは降りづらく、ホームに掛かっている車両の乗降が済んだらちょっと進んで停車し次の車両がホームに掛かって乗降、という手順を繰り返すことになります。町を抜けると木立の中を走るようになりますが引き続き併用軌道です。


 迫力のある岩の切り通しを抜けJardins Artigas駅に着くとホームから駅名になっている庭園が見えました。この庭園はガウディがデザインしたものだそうです。交換駅化できそうなスペースを見ながら発車すると最後は専用軌道を走るようになります。


 上流側の終点セメント博物館駅に着きました。ホームの先は車庫につながり左手にはセメント工場跡を利用したセメント博物館が見えます。つまりこの路線はもともとはセメント工場のための産業鉄道だったというわけです。

 なおこの列車は機回しをしていませんでした。推進運転になるセメント博物館発の列車は先頭の客車の最前部に係員(運転士というべきかも)の方が腰掛け遠隔操作で進みます。

 というわけで短い観光路線ですが町に溶け込んだ併用軌道のおかげか大変良い雰囲気でした。


景色は乗った後に(遠距離館)スペインもくじ>このページ

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