バルセロナの登山路面電車


 バルセロナには低床連接車が走る今世紀になってからできた路面電車はありますが旧来から残る路線は1つしかありません。1つだけのうえ路線長は1.3km弱という短さで、ティビダボ(Tibidabo)という山上の行楽地への足として週末や祝日、行楽シーズンを中心に運行されているものです。これに乗ってみることにしました。


 バルセロナの中心カタルーニャ広場(Placa de Catalunya)でカタルーニャ鉄道(FGC)のL7系統(全線地下)に乗り、終点のAvinguda Tibidaboで降りて地上に出るとすぐにくだんの路面電車の停留所があり行楽客が集まっています。落ち着いた並木道を趣のある電車が走るのはなかなかの風情ですが短距離ながら運賃が片道5.5ユーロと高額なのはちょっとぎょっとするところです。そこは行楽地のアトラクションの一種と考えるべきなのでしょう。(往路の乗車券を同日中に提示して復路乗車する場合は1ユーロ割引)


 出発するとひたすら坂を登ることになります。ことに直線の並木道が終わってくねくねと曲線で高度をかせぐ後半は路面電車というより登山電車という方が似合いそうな迫力です。5、6分で着く終点はケーブルカー乗り場のすぐ前なので箱根登山鉄道の強羅をちょっと思い出しました。


 せっかくなのでケーブルカーに乗り継ぐと2両編成のなかなか立派なもので、ぐんぐん高度を稼ぎあっという間にバルセロナの街が小さくなります。


 ケーブルカーを降りると古風な遊園地がひろがり、「飛行機」やモノレール、観覧車にゴンドラと高さと眺望を活かした乗り物がいくつもあるのはなるほどと思いました。眼下にはサグラダ・ファミリアも見えます。


 路面電車、ケーブルカーと乗り継いできて最後の乗り物(?)は山上の教会(Temple Expiatori del Sagrat Cor)のエレベータ(有料)です。エレベータを降りてさらに階段を登ると標高564mの場所まで上がれ、高さを活かした乗り物群をさらに見下ろすことになります。


 「高さ」を楽しんだあとは路面電車の車庫付近を見物しました。車庫は路線の中間付近にあり単線の引き込み線(併用軌道)を介しやや奥まった場所にあります。この引き込み線は本線の上下線(便宜上坂道の上り・下りをそのまま上・下線とします。)両方とデルタ状につながっていますが、上り線とつながる軌道上には架線がなく使われているのは下り線とつながる方のみでした。引き込み線付近に上下線間の渡り線はなく、出庫時は引き込み線から下り線に入ってAvinguda Tibidabo駅に向かい、入庫時はケーブルカー乗り場前から下って来て引き込み線とのポイントを過ぎたところで一旦停止しポールを回し方向転換をしてから引き込み線に入るという手順です。引き込み線は突き当りで4線に分岐しそれぞれ屋内の車庫につながっています。


景色は乗った後に(遠距離館)スペインもくじ>このページ

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