分断狭軌線(前編)代行タクシー


 かつてポルトガルに多く存在したメーターゲージの狭軌路線は大部分が廃止され残るのはトゥア(Tua)線とヴォウガ(Vouga)線のみです。それでなんとなく気になりヴォウガ線に乗りに行ってみることにしました。(トゥア線の話はこちら)


 ヴォウガ線はポルト〜コインブラ(〜リスボン)を結ぶ幹線の途中にあるエスピーニョ(Espinho)とアヴェイロ(Aveiro)を結ぶ路線で、幹線と並行してはいるものの内陸側をかなり遠回りする線形です。まずポルトから近郊電車に乗って着いたエスピーニョ駅は地下ホームで、ヴォウガ線の駅(右下の画像)は地上出口から少し南側に離れたところにあります。


 閉鎖された駅舎と発車を待つ2両編成の気動車のどちらも落書きがひどいのですが雰囲気は特にすさんでいるわけではなくのんびりしていました。


 閉鎖された駅舎では切符を買えないので発車すると車掌さんが売り歩き出します。沿線はずっとそれなりに開けていていわゆる絶景とか鄙びた風景はなく郊外が続く感じ。駅の多くは無人駅で、さらに乗降客がいないと徐行で通過するものも多く有人の交換駅San Joao da Madeira(右の画像)に着くとなんだかホッとしました。四角い出発信号機は割と新しそうです。曲線が多くあまりスピードを出さずに淡々と南に向かいます。


 エスピーニョから1時間少々でOliveira de Azemeisに到着。構内には草に飲まれている転車台(左下の画像)が見えました。

 ヴォウガ線は中間部の休止により南北が分断されていて北側はここまでです。南側の区間に乗るためここで休止区間を結ぶ代行タクシーに乗り換えねばなりません。2両編成を受けるだけに多少なり大きいクルマかと思ったらごく普通のタクシー(右端の画像)がやって来ました。乗客は私1人だけで出発。


 代行タクシーは裏道も使って列車の来ない駅を経由していくためヴォウガ線よりかなり遠回りですがダイヤには余裕があり時々時間調整をしながら進んでいきます。結局最後まで乗客は増えずずっと私1人でした。


 代行タクシーに乗ること70分ほどでヴォウガ川を渡るまだ列車が通る橋が見えてきます。ほどなく橋のたもとにある南側区間の末端駅Sernada do Vougaに到着。駅舎にはカフェが併設され自転車が目立っていました。なんでもかつてここからヴィゼウ(Viseu)に向けて分岐していた狭軌線の廃線跡がサイクリングロードに整備されているのだそうです。


 駅前の水場(上段右の画像の代行タクシーの前)にはこの駅の様子と代行タクシーから見えた橋を描いたアズレージョが貼ってありました。代行タクシーに続いてここに描かれた鉄道に乗るわけです。

(後編につづく)


景色は乗った後に(遠距離館)ポルトガルもくじ>このページ

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