分断狭軌線(後編・南側)併用橋と鉄道博物館


(前編・北側のつづきです。)代行タクシーで着いたSernada do Vouga駅には車庫がありかつて分岐駅だったこともあって構内は広く、かつて使われていた好ましい顔つきの気動車が野ざらしなのを見ているとこれに乗ってみたかったなあとしみじみしました。

幸い駅舎内にカフェがあったので揚げたてのタラのコロッケなどをつまみながらワインを飲んで昼食とします。


 ここの見ものは前編で見たアズレージョにもなっている立派な橋です。うれしいことに併用橋で、幅員が狭く橋上でクルマとすれ違えないことから橋の両端に信号が設けられていて列車が来るとクルマは停められます。いわば橋全体が踏切というわけです。


 では列車に乗って併用橋を渡ります。もう昔話になった名鉄の併用橋時代の犬山橋やチェコのここなど思い出しつつ対岸に着きしばらく走るとMacinhata駅の手前で倉庫のようなものが見えてきました。これは鉄道博物館です。せっかくなので見物のため降りてみました。


 館内には狭軌線で活躍した車両が保存・展示されています。


 可愛らしい単端式レールバスの車内を覗いたところ小さい車体ながら等級が分かれ後部にトイレが設置されているので驚きました。長時間走ることを考慮したものと思われます。こんな車両に乗ってみたかったものです。


 見物を終えたらヴォウガ線の南側の残りを乗りつぶします。北側よりもやや鄙びた風景が見られましたがやはりそれなりに開けている印象です。


 南側では警手さんのいる踏切が何度も目に入りました。のんびりと1時間20分ほど走ってポルトガルの看板列車アルファ・ペンドゥラールや近郊電車が見えると終点のアヴェイロです。ここでは地下と地上で駅が分かれている北側のエスピーニョと違い1000mm軌間と幅の広いポルトガル標準軌1668mm軌間の列車が並びます。


 というわけでそう古めかしい車両が走っているわけではなく沿線も地味な印象ですが併用橋に鉄道博物館と見所があり予想以上に楽しめる路線でした。


(2015年訪問)


景色は乗った後に(表紙)ポルトガルもくじ>このページ

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