流線形気動車Malaxa78


★テクチ駅

 正午にブカレスト北駅を出るルーマニア北東部の主要都市ヤシ行き列車に乗り4時間ほど揺られテクチ駅(Tecuci)に着きました。ここは街自体そう大きくないのですが電化・非電化路線が交差する運行上の主要駅なので色々な列車が集まってきます。画像左のなかなか愛らしい顔つきをしたレールバスは東ドイツの中古79形。ルーマニアのあちこちでローカル運用についています。また側線にはいかつさが魅力的な顔つきの除雪車が見えました。


★流線形気動車

 さてここテクチに来た理由はここからパンチュー(Panciu)というところまで1日1往復だけ走る列車にステキな流線形気動車78形が入ると聞いたからです。

 

 ドイツレールバスが出発してからしばらくすると同じ駅本屋のホームに柔らかなフォルムながらも迫力を備えた顔がゆっくりと入線してきました。これこそその78形。ルーマニアのMalaxa社製で製造初年は1939年という古ツワモノです。むろんあちこちかなり手が入っているそうですがこの通り優美なスタイルは保たれたまらない魅力があります。

 

 乗り込むと集団見合いのコチコチシートが並ぶ客室もコンパクトな運転室もなかなかキレイでかなり更新されている様子がわかります。


★1日1往復のローカル線

 では乗り鉄開始。16:43にそこそこ席が埋まった状況でテクチを発車するとまずマラシェシュティ(Marasesti・画像左上)まで複線電化路線の架線下を19km・30分で走ります。ここまでで乗客の多くは降りてしまい他の列車と接続を取って17分の小休止。乗り換えてきたそう多くないお客を載せ今度はパンチューまで1日1往復しか列車が走らない非電化単線の枝線18kmを30分で走ります。

 パンチューはワインの名産地なのだそうでなるほど車窓の広い平原には葡萄畑がよく見え、他にはトウモロコシ畑も目立ちました。そういえばイタリアやチリでも古い車両に乗りながらそんな話を聞いたのを思い出します。いつも乗るばかりで飲んでいませんが…。緑の中をこんな車両が通り過ぎていく様子、乗っていると見られませんがさぞステキな風景だと思います。(それを見たり撮って楽しめるのは撮り鉄諸氏の特権ですね。)


★パンチュー駅

 枝線の行き止まりパンチュー駅の出入りは制限10km/hの徐行運転でノロノロとホームに着きました。駅舎はなかなかステキなデザインなのですが1日1往復の枝線とものなればさすがに無人駅で、窓から中をのぞくとかなり荒れているのが見え残念です。ただ無人駅なら車掌さんに補充券を切ってもらえる楽しみがあり、ここではカーボン紙を敷く手書きのものでした。

 

 駅前に出ると一応建物が並んでいましたがこれといって店も見当たらず何か用を足せるという感じではありませんでした。枝線の終点に着いたのでもしバスでもあればどこかに出たいところですが余裕のない旅程で下調べもしていなかったため素直にとんぼ返りします。折り返し時間8分のわずかな滞在でした。


★帰路

 

 とんぼ返りの帰路はマラシェシュティから運転室の様子を見物します。短い区間ながら前後を機関車で挟んだ重量級の貨物列車、客車列車、フランスからの中古気動車と対向列車はバラエティに富んでいます。見ていると複線電化の幹線ながら直線でも鉄橋などで工事中でもないのに30km/h程度の速度制限がかかることがありました。ルーマニアの鉄道は全般に距離に対し所要時間が長いつまり遅いのですが、線形や線路状態が決してよくないということがその主な理由だとか。基本的に制限箇所はイラつくものですが抜けて再加速する力行の爽快さが味わえる面もありますからそちらを楽しみます。

 

 19時を回りテクチ駅に着いたら往復2時間半の乗り鉄はおしまい。ひと仕事終えた78形はホームでしばし犬と憩ったあとのんびりねぐらの留置線に戻って行きます。

 それを見送ったこちらは窮屈な行程を組んでしまっているので余韻もそこそこに次のヤシ行き列車に乗って先を急ぎました。


★おまけ テクチ駅と駅前の様子

 駅構内は切符売り場のほか簡易カフェ兼売店がある程度です。

 駅前は閑散としていて店はよろず屋的な食料品店がある程度、レストランやホテルなどは見当たりませんでした。なのでパンやハムでも買って食べるということはできますがきちんとした食事をとることは難しそうです。なお客待ちのタクシーは数台停まっていました。


景色は乗った後に(遠距離館)ルーマニアもくじ>このページ

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