ウルグアイ客車・バス乗り継ぎ(前編)行楽列車


 ナマズ気動車も出るモンテビデオのターミナル駅、モンテビデオ新駅からコロニア・デル・サクラメント(Colonia del Sacramento)という世界遺産に登録されている街まで客車列車とバスを乗り継いでみました。


 モンテビデオ新駅から出る客車列車は2系統あります。どちらもモンテビデオから北西64kmのところにある25 de Augosto駅までは同じ路線を走り、そこから北のフロリダ(Florida)方面と西のサンホセ・デ・マヨ(San jose de mayo)方面に分かれて終点へという経路です。

 このうち西の終点サンホセ・デ・マヨからさらに西へバスを乗り継いでいくとコロニア・デル・サクラメントに行けます。コロニア・デル・サクラメントからはラプラタ川を渡ってアルゼンチンのブエノスアイレスまで行く国際航路が出ていて旅程上都合がいいので、サンホセ・デ・マヨ方面に行く列車に乗ってみることにしました。

 モンテビデオ〜サンホセ・デ・マヨ系統のダイヤは基本的に午前中はサンホセ・デ・マヨからモンテビデオ、午後はモンテビデオからサンホセ・デ・マヨというモンテビデオに通勤・通学する人に合わせているらしき構成です。その中になぜか土曜は朝出る列車がありました。9時にモンテビデオ新駅を出るフロリダ行きがそれで、途中25 de Augostoでサンホセ・デ・マヨ行きに接続しています。この列車を捕まえると乗り継ぎの前後2つの列車に乗れる上、夕方ではなくお昼前にサンホセ・デ・マヨに着け先に進みやすい旅程が組めるので助かるというわけです。


★モンテビデオ新駅

 というわけで土曜の朝にモンテビデオ新駅に出向くと件のフロリダ行き(左の画像右端の客車)が発車を待っていました。編成はディーゼル機関車1両+貨車1両+客車5両となかなか堂々とした混合列車です。ただホームが足らずかなりはみ出して停車中ですけれども。塗色が濃緑に黄帯なのでなんだか中国の鉄道を思い出します。客車の銘板を見ると1977年ハンガリーのガンツ社製とありました。

 特に座席指定はないので適当な車両に乗り込むと2+3のボックスシートが並んでいます。客車のうち1両は車内外にコカコーラの宣伝が派手にペイントされていて同形式ながら異彩を放っていました。

 ほぼ席が埋まったあたりで発車します。客層は家族連れや友達連れらしき行楽客ばかりでした。行楽客が多いのを狙ってか売り子さんも多数登場します。お菓子や飲み物はもちろんですが釣り竿売りが複数来るのにはびっくりしました。行楽客の多くは郊外の川に出かけて週末を過ごすそうなので釣り竿の需要があるわけです。


 先頭に機関車とコンテナを積んだ貨車が見えると混合列車なんだなあとなんとなくうれしくなってしまいます。

 郊外に進むにつれ住宅地の駅から乗り込んだ行楽客が増えていき、気がつくと通路までいっぱいの大混雑になってしまいました。みんな荷物が多くデッキ付車両で乗降に手間取りどんどん遅れが広がります。行楽客だけにのんびりした雰囲気なのは救いですがこちらは窓の金網とにらめっこ状態になりイライラしました。

 金網がジャマで向かいのお嬢さんもご機嫌ナナメです。お互いやんなっちゃうね。

 ともあれ徐々にモンテビデオから遠ざかり、ラプラタ川に流れ込むSanta Lucia川の鉄橋を渡るときに下を見たら大勢の人が茶色の水で水遊びしているのが見えました。行楽客の主な行き先はこの川のようで、Santa Lucia川の鉄橋を挟んだ前後のSanta Lucia駅と25 de Augosto駅で行楽客はどっと降りていきます。


★乗り換え駅(25 de Augosto)

 かなり遅れて到着した25 de Augosto駅ではサンホセ・デ・マヨ行きがちゃんと接続をとって待っていてくれ安心しました。行楽客の大半が下車したためここからはどちらの列車もガラガラです。

 この駅は出発信号機が腕木でした。右の画像の赤い客車が上述のコカコーラ塗装車です。


 少々乗り換え時間をとった後は区間列車のサンホセ・デ・マヨ行きが先の発車でした。混んだ列車の後の空いた列車はホッとします。この列車はデッキのない転換クロスシートの近郊客車でなんとなく台湾のインド製客車(あっちは回転クロスですが)を思い出しました。荷物室は自転車置き場になっていましたが荷物室の扉は高床でステップがないため下ろすのはちょっと大変そうです。

 車窓はずっと広い草原が続きます。朽ちつつあるハエタタキは鳥が巣を作る格好の場所になっていました。


★サンホセ・デ・マヨ駅

 分岐駅25 de Augosto駅から45分ほどでサンホセ・デ・マヨ駅に到着です。かつてさらに西に延びていた線路はここで途切れ終点になっています。定時なら昼前の11:35に着くはずが遅れで12:40になってしまいました。列車はすぐに機回しをして夕方折り返す準備が完了します。

 こちらは機回しを見物したところで西のコロニア・デル・サクラメントに向かうため駅にほど近いバスターミナルに向かいました。


乗り鉄の話はここまでです。後編の乗りバスに続きます。


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