虎尾糖廠のサトウキビ列車


 かつて台湾に多く存在したサトウキビ列車の走る製糖鉄道は徐々に姿を消し、実用的な製糖鉄道として現役なのは雲林県の虎尾糖廠だけになってしまいました。(観光用として残っているものは他にいくつかあります。)ただ「乗り鉄」だと旅客列車がない乗れない鉄道はそのうちでいいやと後回しになりがちです。またサトウキビ列車はサトウキビの収穫期でないと走らないのでなかなかちょうどいい時期に足を運べなかったのですが幸い収穫期に訪台する機会がもてたので虎尾まで足を延ばしてみました。


 斗六から台西客運のバスで虎尾に着き、ほど近い製糖鉄道の軌道敷まで歩いて行くとか細い軌道をイヌがうろうろし、レールの踏面はほこりっぽくてあまり輝きがなくイマイチ列車が来る気がしません。踏切警手のおじさんにちゃんと来る時刻は教えてもらったのですけれども。

 ふと詰所のゴミ袋を見ればタイ産砂糖の袋でした。製糖業が衰退した現在の台湾は大量の砂糖を輸入する国になっています。


 やがて信号が点り踏切が下がってサトウキビ列車がやってきました。虎尾の町中は道路だか軌道敷だかはっきりしないけど正面切って併用軌道って言うのもなんか違うような、というテキトウな感じのところを走っていくので見ているとバスの狭隘路線にも似た楽しさがあります。


 たくさんの貨車を連ねた列車が生活臭の濃い町中に乱入ししばらくふさいでしまう様子は日常が急に非日常になるような不思議な光景でした。もちろん列車も日常の光景なのですけれども。

 サトウキビの収穫期は12月〜3月くらい、上記の軌道は台西客運虎尾バスターミナルのごく近くです。(虎尾へのバスについてはこちら)


(2012年訪問)


景色は乗った後に(表紙)台湾もくじ>このページ

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