台湾最古の鉄道トンネル


 台湾初の鉄道が開通したのは清朝時代の1891年、台北〜基隆間ですが、その後日本の植民地時代に大幅な線形改良が行われたため清朝時代の鉄道遺構は非常に少ないとのことです。

 基隆にある獅球嶺隧道はその清朝時代の鉄道トンネルですから大変貴重な遺構ということになります。幸い整備され見学できると言うので行ってきました。

 写真に奥に見えるトンネルが自強隧道で、その上部左手に目的の獅球嶺隧道があります。


 獅球嶺隧道最寄のバス停は「自強隧道」です。そのバス停を降り後ろを振り返るとすぐファミリーマートがあり、その交差点を入ってすぐ自強隧道に向かって登っていく「楽一路」という細くニョロニョロした道があります。これを登っていくと右の写真のように獅球嶺隧道の案内がありました。

 上の写真では楽一路は右側を登って行く道ということになり、自強隧道の真上まで登って自強隧道を跨ぎ、左側の獅球嶺隧道に向かうという道のりです。


 バス停からは坂道ではあるもののさほど遠くもなく、10分とかからずに獅球嶺隧道に着きました。なお獅球嶺隧道は清朝の台湾巡撫だった劉銘伝の名前を取り劉銘伝(鉄路)隧道とも呼ばれています。

 坑口の左に受付があり、土日の9〜16時にトンネル反対側の坑口まで抜けることができるとのことです。(平日は団体予約のみとのこと)

 見学したいと申し出ると備え付けのヘルメットをかぶるよう指示を受け、かぶったら係の方に案内していただきました。


 

 こちらの画像が受付側の坑口で、左下に歴史的経緯の解説が展示されています。

 全長235mのトンネルには動物が棲み付いていて、このときはコウモリやカエル、でかいカタツムリを見ることができました。

 その辺りならいいのですが、案内の方によればたまに毒蛇も出るとのことです。太った毒蛇がとぐろ巻いた写真を見せていただきゾッとしました。


 さてトンネルを抜け反対側の坑口を振り返ってみます。こちらの方が立派な雰囲気で、「曠宇天開」という劉銘伝の揮毫も残っていました。


 トンネルを抜けた先はすぐに行き止まりで見学はここまででした。レールを表現した丸いオブジェの先にベンチが並び小さな庭といった雰囲気です。

 基隆駅から自強隧道バス停までは501番その他のバスが頻発しており乗って15〜20分程度、獅球嶺隧道までの徒歩が10分程度と気軽に行ける場所ですので週末基隆を通る機会があったらちょっと立ち寄ってみるのも悪くないと思います。


(2009年訪問)


景色は乗った後に(表紙)台湾もくじ>このページ

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