イスタンブールのBRT「メトロブス」


 近年世界各地に「BRT(Bus Rapid Transit)」と呼ばれる高規格のバス路線が増えていますが、イスタンブールにも高規格路線「メトロブスMetrobus(メトロバス)」が運行されヨーロッパ側Avcilarとアジア側Sogutlucesme間41キロを東西に結んでいます。この項ではこのメトロブスに乗ったときの様子を紹介します。

 (なおトルコには長距離バスを運行する「METRO」という大手バス会社がありますがこのメトロブスとは別のものです。)


 今回の乗りバスはヨーロッパ側、イスタンブール中心部から20キロ強西にあるKucukcekmece(キュチュクチェクメジェ)停留所から始めます。この付近はイスタンブール旧市街の拠点シルケジ駅Sirkeciと西のHalkali(ハルカル)を結ぶ近郊電車バンリヨBanliyoとメトロブスが立体交差する場所であり、また電車には同名の駅があるのですが、駅と停留所は名前こそ同じでも1km強離れています。乗り換える道のりは港になっている入江の歩道橋を渡るため散歩と考えるとなかなか気分のいいものでした。

 では高規格道路の中央に設置されているバスレーンと改札口つき島式ホーム停留所の様子を。

 パッと見てまず面白く感じたのはトルコの道路は右側通行なのに対しバスレーンが左側通行になっていること。一般道路用の扉配置のバスを島式ホームに合わせると左側通行にせざるを得ないわけです。相対式に比べ島式はスペースの節約や改札口・階段などの設備を少なくできる点で有利ですから左右逆にしても島式にすることは合理的な考え方と言えそうです。ただ一般レーンとの合流に際し対向車線との交差が生じてしまう点が問題になるかもしれません。

 ちなみに中国済南市のバスレーンは一般道と同じ右側通行で島式ホームを採用しているため両側に扉があるバスを使っているそうですが、この辺りの考え方の違いはなかなか興味深く感じます。

 車両は見ていると2連接が主で3連接が少し混ざっていました。とりあえずやって来た34系統に乗ってアジア側の東端Sogutlucesmeをめざすことにします。


★系統

34

Avciral

Kucukcekmece

Topkapi

Edirnekapi

Zincirlikuyu

34T

Avciral

Kucukcekmece

Topkapi

34A

Edirnekapi

Zincirlikuyu

(ボスポラス海峡)

Sogutlucesme

 メトロブスは枝線のない一本の路線ですが全線を直通する系統はありません。上の表のように3つの系統に分かれています。ボスポラス海峡を橋で渡りヨーロッパ側とアジア側を結ぶ系統は34A系統のみなのでKucukcekmeceで34系統に乗った私の場合アジア側まで行くにはどこかで乗り換えなくてはなりません。

 で乗り換えた場所が下の画像、Zincirlikuyu停留所です。西からくるとボスポラス海峡橋直前にあたり34系統はここで折り返しています。ボスポラス橋上にはバス専用レーンがなく自動車道で信号はないものの一般車に混じって走るため渋滞に巻き込まれる可能性があります。そのためここで折り返せば34系統はバスレーンのみを走ることになり渋滞の影響を受けないことになります。

 34A系統に乗り換え一般車に混ざってボスポラス橋に入りヨーロッパ側からアジア側に渡ります。ヨーロッパ側の停留所数26ヶ所に対しアジア側は7ヶ所なので橋を渡れば終点まであと一息。なお橋の前後には左右の通行を逆にするための立体交差があります。

 車内の案内表示。分岐する枝線がない上路線図・画面・放送と案内も揃っているので乗り間違いの問題は少なそうです。

 道路から降りると終点Sogutlucesmeのホームに入ります。自動改札が並ぶ様子はちょっとした私鉄の駅のよう。後ろに見える高架のホームはハイダルパシャからアンカラに向かう鉄道のもので乗り換えは容易です。

 というわけで専用レーンはもちろんボスポラス橋でも幸い渋滞につかまらずスムーズに乗りバスが終わりました。バスが専用道路を走り停留所に改札があるというごく単純な改良なのですが、それだけのことでバスに乗るときのストレスがかなりの部分解消されるのですから重要なことです。


 最後に一般車から見たバスレーンの画像を貼ります。軌道が大掛かりになる新交通システムやモノレールなどと違い目につくのが一般車線との間の柵くらいで開放感がある点も利点の一つかもしれません。

 右は左右両側に扉がある3連接車両。初期の計画ではこの車両で運行するはずがトラブルで急遽2連接車両が導入され主力になっているという経緯があるようですが、それがバスレーンの右側通行に影響しているのかどうか気になるところです。この経緯についてご存知の方がいらっしゃいましたらご教示いただければ幸いです。


景色は乗った後に(遠距離館)トルコもくじ>このページ

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