ヴィーンヌィツャの路面電車博物館


 ウクライナの首都キエフから南西に200kmほど離れた都市ヴィーンヌィツャ(Vinnytsia)の路面電車はスイスのチューリッヒからの中古車が多数を占めています。中古とは言え大変キレイで街によく馴染んでいるように見えました。軌道周りには芝生や並木が多く落ち着いた雰囲気で好印象です。(電車に乗った時の話はこちら)

 さてここの路面電車は車庫に路面電車博物館があるというので寄ってみることにしました。車庫前には2003年に開業90年を記念して置かれた電車が目立っています。


 車庫の構内に入ると壁に新旧の電車が描かれていてへえと思ったらその先には実際に新旧の電車が並んでいました。まず目立っていたのはレトロ電車の1号です。


 このレトロ電車はドイツのゴータの二軸車がタネだそうでそういえばどこかで見たような雰囲気でした。片運転台で後方は展望デッキのようになっています。


 丸いタトラT4と角ばったKT4は保存車です。T4は一般の営業車両としては引退したものの事業用車になったものがありこれは街をウロウロしているときに見ることができました。KT4は保存車はあるもののまだ現役です。


 事業用車と言えば除雪用のササラ電車がありました。ササラというかブラシというかつながりというのもヘンですが洗浄機で洗浄する様子もつい見入ってしまいます。洗浄機で洗えない「顔」もよく洗われていてなるほど街で見る電車がキレイなわけだと感心です。


 今風の連節車が並んでいるのも見えます。てっきり新車が来たのかと思ったらタトラKT4の機器を流用してここで更新したもので奥の建物に入るとその作業中でした。1編成の更新にだいたい3ヶ月かかるという話です。出来上がった車両の銘板を見ると製造時とここでの更新両方の履歴が書いてあります。


 車内を覗くと3連節のうち真ん中の車体の扉付近が低床になっていました。運転席はだいぶゆったりとしています。


 車庫見物を終えて入った博物館は1室だけのかわいらしい建物で年表や写真、資料や模型など展示がぎっしりでした。


(2017年訪問)


景色は乗った後に(表紙)ウクライナもくじ>このページ

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