ヴィーンヌィツャの路面電車


 ウクライナの首都キエフから南西に200kmほど離れた都市ヴィーンヌィツャ(Vinnytsia)は南ブーフ川の両岸に跨っています。この両岸を結んで広がる公共交通は路面電車・トロリーバス・バスが揃いなかなかの豪華さです。このうち路面電車の路線展開は環状線に枝線2本と割にあっさりしているので一通り乗ってみました。


 街の玄関になるヴィーンヌィツャ駅は南ブーフ川東岸側にありここに路面電車が来ています。ただ駅前の広場に集まるのはトロリーバスとバスだけで路面電車の姿はすぐには見えません。Zaliznychnyi vokzal(鉄道駅)電停はやや奥まったところで折り返しのループが広くとられピットもありました。路面電車の路線は環状線と枝線1本が展開する西岸側が主で、東岸側には枝線1本だけが伸びこの駅前はその東端になります。


 駅前を出た電車はそう狭くはないもののやや裏道然としたところをしばらく走り、立派なホールが目立つひらけた交差点に出るとPloshcha Peremohy電停です。ここで駅前から別の通りを走ってきたトロリーバスと合流します。


 多数を占めているスイスのチューリッヒからの中古車は1+2列のクロスシートです。ツーマン運行なので車掌さんが忙しそうに切符を売り歩きます。トロリーバスと一緒に南ブーフ川を渡り西岸側に出ると沿道に電車を模した看板が見えその後ろにはこっちの乗っている電車も映りなんだか面白いものがありました。


 駅前から走ってきた枝線から環状線に一旦入り南に伸びる別の枝線に抜けると終点は路線網の南端Elektromerezha電停です。木々のおかげか小公園のような雰囲気ののんびりした折り返しループではイヌがウロウロしていました。


 2つの枝線の端を見た後は環状線を見て行きます。環状線北側のImeni Oleksandra Muzyky電停は車庫前にあり降りると保存車両が見えました。車庫内には路面電車博物館があります。(車庫内と博物館を見物したときの話はこちら)


 同じく環状線北側のZakhidnyi Avtovokzal(西部バスターミナル)電停です。行き止まりではないもののここが起終点になる系統があり折り返すループが広がっています。電停前の古びたバスターミナルを覗くと規模はそれほど大きくないもののそこそこ賑わっていました。


 環状線の西側は高層住宅が目立ちます。TK Vishen'ka電停で折り返しループが見えたので降りてみました。ここで折り返す系統はないものの事業用車が停まっているのが見られちょっとトクした気分です。

 ここには路面電車の折り返しループに加えトロリーバスの終端ループもあります。なので交通機関だけ見ると要所っぽいのですがそう賑やかとかやかましいようなところではなく高層住宅の他に目立つのは食品や日用品の店がいくつも入っているショッピングモールくらいで生活の場らしい落ち着いた雰囲気です。電停脇の鮮やかなひまわりときれいな電車を眺めたらなんだかホッとしました。


(2017年訪問)


景色は乗った後に(表紙)ウクライナもくじ>このページ

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