シカゴのインターアーバン


 シカゴ(イリノイ州)と南東のミシガンシティ(インディアナ州)をサウスショア線というインターアーバン(都市間連絡電気鉄道)が結んでいます。アメリカのインターアーバンはモータリゼーションに負けほとんど残っていないためこのサウスショア線は大変貴重な存在です。アメリカのインターアーバンは日本の電気鉄道のお手本だからその生き残りに一度くらいはご挨拶しておかないとバチが当たるのではなかろうか、と考え乗りに行くことにしました。


 シカゴからミシガンシティまでサウスショア線は1時間40分程度と結構かかり往復するとちょっと飽きそうです。なのでまずシカゴのユニオン駅でアムトラックに乗ってミシガンシティに向かいました。この間アムトラックだと1時間強、長距離列車でカフェカーが付いているのでコーヒーなど飲んでくつろげます。途中サウスショア線の軌道や架線柱が見えると東海道線から京急や名鉄、阪急を見るときのような気分に。


 ミシガンシティで降りたのは私1人。ひと気がなくホームは簡易なものという寂しい駅でした。近くに原発のようなものが見えドキっとしますがこれは火力発電所の冷却塔だそうです。この駅のすぐそばにはサウスショア線のようなシンボルマークのビール醸造所(Shoreline Brewery)の酒場があるので寄らざるを得ません。ビールはウマく種類がたくさんあり1杯というわけにはいかなくなります。


 明るいうちからだいぶ出来上がってしまった足取りで南に歩いていくとほどなくサウスショア線名物の併用軌道に出ました。シカゴからの列車が来たのでまず見物。同様に高床の車両が走る併用軌道でも江ノ電や京阪京津線などよりずっと大きい車両なのでさすがに迫力はあるものの割とあっさりした大雑把な景観の通りだからか意外に違和感がありません。こういう感覚は相対的なものというのか車両は小さ目でもせせこましいところを走る方がインパクトがあったりするのかもとちょっと思いました。


 さて乗るのは併用軌道上にある駅というより停留所という感じの11th Street駅です。立派な駅舎は残っているのですが残念ながら閉鎖されていて入ることはできません。その代わりなのか小さな待合所があります。


 やがて6連のシカゴ行が警笛を鳴らしながらゆっくりと走ってきました。改めて見るとなんとなく国内のどこかにありそうな顔つきの日本車輛製なのでやや外国感(?)が抑えられ、アメリカっぽい数字のフォントから名鉄の車番を思い出し併用軌道だったかつての犬山橋や岐阜の600V各線が頭に浮かんだりも。

 ここで乗降できる扉は1ヶ所のみなので少ない乗客でも列ができますがみんなのんびりと乗り込んでいきます。私も乗り込んで固定クロスシートに腰掛け車窓を見ていると併用軌道はすぐに終わりシカゴに向かって突っ走るばかり。固定窓で静かな車内を回って来た車掌さんから切符を買ったら金額に合わせて切り取るアナログなものでオリジナルの地紋が見えうれしくなりました。


 というわけでシカゴに戻り地下駅のターミナルMillennium Stationに到着。乗り鉄目的をさておくとミシガンシティまでビールを飲みに行ったことになりクルマ社会のアメリカで飲酒運転せず鉄道で行くとはなんとエラいんだろう、と思っていたら酔っ払いの乗車お断りという注意書きが目に入りました。(ちなみにアムトラックはカフェカーで酒類が買えます。)ともあれJRと並走する私鉄をハシゴするような気分がアメリカで味わえ満足です。


景色は乗った後に(遠距離館)アメリカもくじ>このページ

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